脇阪克二のここがすごい!
軽やかな偉人
思わぬ所で脇阪克二さんの名前を聞いたのは、パリのとてもセンスのいいセレクトショップだった。
その店の店主は気さくなマダムで、元マリメッコ社の社員だったそうで、脇阪氏の熱心な仕事ぶりを覚えていると言っていた。
私は、彼の地で日本人の名前を聞くだけでも嬉しく、さらに大好きなテキスタイルブランド・マリメッコのカタログを大事そうに見せながら説明してくれ、彼女とのステキな時間を私に与えてくれた脇阪さんの仕事がより好きになった。
現在は故郷である京都のブランドSOU・SOUで、テキスタイルデザイナーをされている脇阪さんだが、彼の歩んだデザイナー人生は、とても輝かしい道程だ。
1968年からフィンランドに渡り、その後はアメリカ・ニューヨークへ。
京都出身者が、都から出たがらないのは今も変わらないが、その時代に外国でデザイナーとして活躍した日本人がいたことは驚きである。
脇阪さんの作品は子供の様に軽やかでいて、飽きのこない深みがあると私は思う。その普遍性は京都という成熟した都市文化が生み出したものであるのかもしれない。特に好きなのは、色使いと間の取り方だ。あっけらかんとしているようでたくさんの計算が積み重なったグラフィックは手にしたときに大きな歓びを与えてくれる。偉大なデザイナーというのは魔法使いだなと思う。
文:ルシャアジアテーク
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