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アルブレヒト・デューラー

アルブレヒト・デューラーのここがすごい!

ドイツを代表する芸術家 デューラー

美術の黄金期、ルネサンスの中心地はイタリアでしたが、北方と呼ばれる現在のドイツやオランダにも優れた芸術家が存在しました。中でも、16世紀のドイツ美術を牽引し、後世に大きな影響を与えたのがアルブレヒト・デューラーです。ニュルンベルクに生まれ、若くして才能を開花させたデューラーは、ヴェネツィアなどで修行を積み、油彩画だけでなく素描、水彩画、版画など、様々な分野で傑作を残しました。

『芝草』

 

『野うさぎ』

自画像が有名なデューラーですが、私は水彩で描かれた植物や鳥の羽根、野うさぎの絵が好きです。一つ一つ図鑑の挿絵のような精巧さで描かれており、鳥の羽根のつややかさや野うさぎのふさふさした毛の質感が感じ取れます。

また、デューラーを語る上で外せないのが銅版画(エングレーヴィング)です。通常の絵画と異なり、モノクロの版画は地味と捉えられがちですが、優れた技巧を持つ版画家の作品は、絵画に引けをとりません。複製できるという点では便利でも、作品としての価値は低かった版画を、芸術作品まで昇華させたのがデューラーです。

『メランコリア I』

私が一番好きな作品は《メランコリア I》です。非常に謎めいた作品で、今も様々な解釈が試みられているそうです。頬杖をつく羽根のある女性、奇妙な立体のオブジェ、魔方陣、砂時計などなど少し見ただけでも気になるモチーフが散りばめられています。何より、絵画に見られたデューラーの描写力が版画でも発揮されています。女性の羽根や衣服のしわは絵筆で表現するのも大変でしょうが、板を彫ってつくることを考えると気が遠くなりそうです。また、モノクロであることが逆にこの作品をミステリアスなものにしており、版画ならではの魅力を伝えてくれる作品だと思います。

文:cawase

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