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ヴィルヘルム・ハンマースホイ

ヴィルヘルム・ハンマースホイのここがすごい!

寂しさと静けさの画家

ヴィルヘルム・ハンマースホイの絵画は一様に青っぽく、書かれている人物も後ろを向いていたりうつむいていることが多いです。後ろを向いた人物の絵からは、同じ空間にいるのに心を通わせられない寂しさのようなものが感じられます。

また、室内を描いた作品群を見比べると、扉があいている絵画と窓から光がさしているもの、扉が閉じているもの、家具の配置が不思議なものなど、部屋の状態にさまざまなバリエーションがあることがわかります。

扉がすべて開いていて窓から光のさしこんでいる作品は、静けさと孤独の中にもほのかな希望のようなものが感じられます。扉の閉じている作品はドアの取っ手も描かれていなくて光も差し込んでおらず、後ろを向いている人物の息苦しさを良く表しています。

ピアノが描かれている作品では、本来ピアノの足が描かれているはずのところに足がなく、また窓の外を眺める後ろ向きの人物にも足がありません。不安定さと違和感のある作品で、ピアノが描かれているにもかかわらず、作品からは音が感じられません。静けさがただただあるような浮遊感のある作品です。

一見人のいない室内などシンプルで面白みのないと言われそうなモチーフでも、そこに不思議な魅力があります。鑑賞者自身の孤独な記憶を思い出させるような作品が魅力の画家です。

文:かめ

背を向けた若い女性のいる室内

 

白い扉、あるいは開いた扉

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