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ティツィアーノ・ヴェチェッリオ

ティツィアーノ・ヴェチェッリオの作品紹介

ティツィアーノ・ヴェチェッリオの「聖愛と俗愛」は大いなる愛情を感じる絵画です。

ティツィアーノ・ヴェチェッリオの「聖愛と俗愛」は大いなる愛情を感じる絵画です。私は、初めてこの絵を大塚国際美術館で見た時に全ての愛情表現がこの絵画に詰まっていると思いました。色鮮やかで美しく、とても素敵な絵画です。
Titien_-_Amour_Sacré_Amour_Profane

「聖愛と俗愛」有力な貴族が結婚をする際、ティツィアーノ・ヴェチェッリオに依頼したと言われており、1515年に完成させたもので本物は現在イタリアのボルゲーゼ美術館にあります。

左側にいる白い服を着た女性は、地上の愛、または俗世の愛を示していると言われ、右にいる裸の女性は天上の愛、または精神的な愛を示していると言われています。そして中央にはキューピットが描かれ、母と子の愛を描いていると言われています。この絵の背景は穏やかな田園風景で、3人の登場人物の心の穏やかさ、愛情を背景からも感じる事ができます。

この絵画の作者、ティツィアーノ・ヴェチェッリオは、1490年頃に生まれた画家で、その筆使いや色彩のセンスは次世代の画家に大きな影響を与えたと言われています。風景や宗教等の絵画に特に優れており「十字架を担うキリスト」「洗礼者ヨハネの首を持つサロメ」等が有名です。長命で、他にも優れた作品を多く残しています。

文:るるるるん

ティツィアーノ・ヴェチェッリオの「カール五世騎馬像」はまさに威風堂々という絵画です。


私は、絵画が大好きで絵画に関する本をよく読むのですが、その中で特に印象に残っている作品がこのティツィアーノ・ヴェチェッリオの「カール五世騎馬像」です。この絵画は、一人の男性が馬に堂々と乗っているところを描いた作品です。1548年制作、現在はスベインのプラド美術館で見る事ができます。鎧の細かな装飾までしっかりと描かれているのが印象的です。私は鎧や剣等の武器も好きなので、この絵はいつか本物を見てみたいと思っています。

この絵に描かれているカール五世は、1500年に生まれ戦いに明け暮れ、スペインをヨーロッパ最強の国にしたとても偉大な王です。ただ、少々病弱であったため、後年は自ら退位をした後、修道院で穏やかに人生を終えています。このカール五世の歴史を見ていくと、スペインに入国した後いかに戦争だらけの日々を過ごしていたのかが分かります。この絵はその象徴だと私は思います。そしてこの威風堂々とした絵画からどんな戦いにも決して負けない気概を感じます。

ただ、そんなカール五世も後々痛風や喘息等で神経が衰弱していたと言われています。昔から今まで、病に悩むのは皆同じで、これほど威風堂々とした王様も病気には勝てなかったんだなと思うと切なくなる一枚です。

文:るるるるん

「バッカスとアリアドネ」は非常に多くの情報が詰め込まれている傑作です。

「バッカスとアリアドネ」はイタリアの巨匠と言われているティツィアーノの作品です。初めてこの作品を見た時、美しいという事はすぐに分かったのですが人を始め様々なものが細かく描かれていて、これは解説がないと本当の意味は分からない思いすぐに様々な本でこの絵画の意味を調べました。

この絵画のタイトルになっているバッカスはギリシア神話に出てくるお酒の神様の名前です。ぶどう栽培等の方法を身に付けながらあらゆる場所に旅をして神の仲間入りを果たしました。
アリアドネもギリシア神話の登場人物です。非常に美しい娘だったそうです。この絵のアリアドネは神々しく描かれています。この事から、バッカスがアリアドネに一目惚れをしたという事は解説がなくてもすぐに分かります。

様々な解説を読んでいると、この絵画には驚くほどの多くの情報が詰め込まれているのが分かります。じっくりその意味を理解しようとするととても時間がかかります。ですが、どれほど時間がかかってもこの絵を正確に理解したいと思わせる美しさがこの絵画にはあります。そして、難しい絵画の意味を正確に読み解き、自分の中で解釈をして色々妄想をするのも絵画の楽しみ方の一つだと私は思います。

文:るるるるん

ティツィアーノの基本情報

ルネサンス期ヴェネツィア絵画の巨匠ティツィアーノ

ティツィアーノは16世紀ヴェネツィアの重要な画家の一人です。本名はティツィアーノ=ヴェチェッリオと言い、1490年頃に生まれ、1576年に没するまで多くの優れた作品を残しました。

当時のヴェネツィアは都市国家の一つで、今のような街の一つではなく、都市共和国としてトップに国家元首を置き共和制を採用していました。ヴェネツィア共和国は主にイスラム地域とヨーロッパを結ぶ地中海交易で栄え、大商人が貴族となり国家を支えていました。そこで稼いだ富をもとにティツィアーノらヴェネツィア派の画家は絵筆をふるいました。

ティツィアーノはかつてジョルジョーネの助手を務めていました。そのため、どちらがどの作品を制作したのか判然としないことが多いです。「十字架を担うキリスト」もそんな作品の一つです。
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そんな師であったジョルジョーネの影響もあったのかティツィアーノも女性の絵をたくさん描き、理想的な美しさを持った女性像といったジャンルを生み出したと言われています。一部しか紹介できませんが、印象的なのが美しい長い髪を持ち、白い豊満な裸体を晒した若い女性の絵です。有名な「ウルビーノのヴィーナス」や「ダナエ」、「ヴィーナスとオルガン奏者とキューピッド」などは横たわる裸婦像です。

もちろん、女性の絵ばかりを描いていたわけではありません。「統領アンドレア=グリッティ」はヴェネツィア共和国の国家元首の肖像画ですし、「ラヌッチオ=ファルネーゼ」はローマ教皇を輩出したイタリアの名門貴族の肖像画です。また、スペインのカール5世の騎馬像なども作成しました。

文:田中夕霧

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