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ハンス・ホルバイン

ハンス・ホルバインのここがすごい!

肖像画家ハンス・ホルバイン

ドイツ出身のハンス・ホルバインは肖像画家としての活動を行いました。彼は1490年代の南ドイツ、アウクスブルク出身で、父親も画家であったことで有名です。ハンスは、イタリアへの渡航などを通してダヴィンチやマンテーニャの作品に出会い影響を受けました。1520年代以降イギリスでの活動を始めるまでは、スイスのバーゼルにおいて宗教画や肖像画を描いていたようです。
彼の代表作には「エラスムスの肖像」(1523年)、「ゲオルク・ギーゼの肖像」(1532年)や、「大使たち」(1533年)などがあります。

『大使たち』

特に1533年に描かれた「大使たち」という作品では、いくつかの興味深い技法が用いられてます。アナモルフォーズ(歪像画)という技法は、だまし絵のようなもので、この絵の場合二人の大使の間の足のあたりに斜めに描かれたどくろを見つけることが出来ます。
どくろはメメント・モリの象徴の死を思い出させるモチーフとして知られていて、他の作品でも見ることが出来ます。16世紀から17世紀のネーデルランドやフランドルで描かれた静物画のジャンルの一つのヴァニタスも、どくろを扱っていることで有名です。

普通の肖像画かと思いきや、奥が凄く深い。ハンスの描いたこの大使の絵を見ると地球儀や、リュート、本、そしてどくろ?と謎がますます深まります。ハンスの絵は、肖像画を描くときに画家がどんなメッセージを込めて描くのかを真剣に考えてみたくなる作品です。

文:ラブリー

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