成田亨のここがすごい!
半世紀を超えた今尚愛される、人知を超えた存在を表現した男
成田 亨(なりたとおる、1929〜2002年)は青森出身のデザイナー・彫刻家です。
彼は、日本人なら知らぬ人はいない国民的ヒーロー「ウルトラマン」のキャラクターデザインを行ったことで知られています。
ウルトラマンが放送されたのは1966年であり、その後50年以上過ぎた今尚、彼の生み出したヒーローや怪獣は子供たちに絶大な人気を誇っています。そのため、時代が移っても変わらぬ魅力があることが窺えます。
成田はヒーローや怪獣のデザインを行うに当たり、徹底してシンプルなデザインを施しています。これは成田の「新しいデザインは必ず単純な形をしている。」というポリシーに乗っ取ったものです。
また、成田は登場する怪獣に対して自ら
1.「怪獣は妖怪ではない。手足や首が増えたような妖怪的な怪獣は作らない。」
2.「動物をそのまま大きくしただけの怪獣は作らない。」
3.「身体が破壊されたような気味の悪い怪獣は作らない。」
という3原則を課したうえでデザインに臨んだと言われています。
他にも、バルタン星人を始めとした悪の宇宙人について、「地球人にとっては悪でも、彼らの星では勇者であり、正義なのだから『不思議な格好良さ』がなければいけない。」と述べていたと言われています。番組の進行上、単に「ヒーローに倒される存在」として生み出されたのではなく、あくまで強大なヒーローの「アンチテーゼ」という理念をベースにデザインされているのです。
こういったポリシーに基づいて生み出されたからこそ、デザインにしっかりとした「核」が生まれ、キャラクターが生き生きして来るのではないかと思います。それが現在まで通用する魅力となっているのではないでしょうか?
その後も「ウルトラシリーズ」は続いて行きますが、多くのヒーローや怪獣たちも成田が生み出したデザインがベースとなっていることは間違いないでしょう。成田のデザインがその後長きに渡って続くシリーズの世界観を構成する、大きな要因であると言っても過言ではありません。
そう考えると、歴史的偉業を達成したデザイナーになるのかもしれません。
文:keep
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