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堀 文子

堀 文子のここがすごい!

自分の心の目を常に変化させていく女流画家

どれが彼女の代表作なのだろうか。彼女の展覧会に行くときっとそう思う筈です。

何故なら彼女の絵はパブロ・ピカソと同じように変容し続けているから。自分の殻を常に破り続ける力溢れる画家であり、今も新しい感動を求めて旅をしている画家です。その作品はそんな創造力がどこからやって来るのかと思わざるを得ないほど同じ作家とは思えない絵が並んでいるのです。どうしてこんなに色々な絵があるのだろうと、興味をついつい持ってしまう画家です。

創造力の源は何か。これについては彼女の生き方を聞けば分かるような気がします。彼女が言った言葉に「一所不在」というものがあります。これは四字熟語で「同じ場所に居続けず各地を転々と旅すること」で、何故そうするかと言うと、同じ場所にじっといると感動が無くなってしまうとのこと。空気が淀むのは体にも心にも良くない。常に時は流れているのに自分は止まっている・・・これではココロが死んでしまうんじゃないかと危機感を覚えると、直ぐにその地を跡にするんだそう。常に子供の時の純粋な感動を心の底から味わいたい!それを見せてくれる場所を私は探しているのです、というような事をインタビューで答えられていたのでその純真な心の目であるからこそ型に嵌まらない絵を生み出せるのだと納得してしまいます。でもそれを追求し続ける芯の強さは凡人には真似できそうにありません。

都会を好まず常に自然と融合できる場所を好み今も彼女はそのような静かな場所で日々絵を描いているのです。

その研ぎ澄まされた感性から溢れ出てくる絵は、どれも私たちの心に何処かで忘れてきた感動という純真な気持ちを教えてくれるに違いありません。

文:Yuina Yamakawa

振り返らず真っ直ぐ一心に進む女性画家

堀文子さんは100歳を目前としながらも、生き生きと力強く絵を描き続けています。

初めて堀文子さんの作品に触れたのが「幻の花ブルーポピー」でした。元々花の画家として親しまれ、多くの自然のあるがままの姿を描いた作品は、心を鎮め優しい絵ばかりです。その中でこの「幻の花ブルーポピー」はずっと見入ってしまう深い美しさがあります。
その名の通りブルーが何ともいえない神秘的な色なのです。ブルーポピーがどのような花か知らないながらも、その絵は写実的なわけではないながらも、このままの花なのだろうなと思わされました。
それもそのはずです。堀文子さんはこの幻の花を描くために、80歳代でヒマラヤに登ったのです。本物を見なければ描けない、そのプロ根性とでも言うのでしょうか。こうと思ったら行動するタフさが、堀文子さんの魅力でもあります。繊細な絵ではありまがらどこか力強さ、芯を感じるのは、やはり描いている人の性格の現れでしょうか。
「人はそもそも孤独なのです」と言う中で、こんなところに花が咲いている、孤独にでも美しく咲くブルーポピーが、人と重なり合い、自分の足で登り、自分の目で見て描きたいと思ったのでしょう。その思いが絵に現れています。

是非に一度目にし、その他の堀文子の作品にも触れ、さらには、彼女の本も読んでみると、命について考えさせられ、自分も真っ直ぐに前を向け歩んでいける気がします。

文:コロボックル

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