エドウィン・ランドシーアの作品紹介
犬の寂しさが心に響く作品です。
1800年代に活躍した画家、エドウィン・ランドシーアは動物の絵をたくさん描いたことで知られています。イギリス、ロンドン出身である彼はヴィクトリア時代に才能ある画家として認められ、活躍しました。彼の代表作には、「ウィンザー宮近況」(1845年)などがあります。また、ロンドンにあるトラファルガー広場のライオン像も彼の作品として知られているようです。
才能溢れるエドウィンの作品の中で、私が特に心を動かされたのは「飼い犬の死を悼むシェパード犬」(1837年)という作品です。絵の中に描かれている部屋は暗く、中央には人の棺が置かれています。そしてその横には棺の上に顔をのせているシェパード犬の姿があります。飼い主に取り残され、途方に暮れているのでしょうか。どこか遠くを見つめる寂し気な表情が印象的です。しっぽは地面に垂れていて、「自分はいつまでもここに座っているつもりだ」と意思表示をしているかのようです。
亡くなった飼い主はどんな人物だったのでしょうか?この質問に対する答えが絵の中にあると言われています。犬の横に置かれた帽子と杖は羊飼いが使っていた物のようです。羊を追う役目としてこの犬が飼い主と共に今まで働いてきたのだとしたら、この犬は飼い主が亡くなったことで強い喪失感を味わっていることでしょう。この絵はそんな状況が強く伝わってくる、心打たれる作品となっています。
文:ラブリー
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