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アーニョロ・ブロンズィーノ

ブロンズィーノの作品紹介

「愛と勝利の寓意」は、様々な教訓が示されている作品です。

私は、この「愛の勝利の寓意」が取り上げられている漫画が大好きで、一度でいいからどうしてもこの作品を見てみたいと思っていました。
??????? Gallerix.ru ( http://gallerix.ru )

大塚国際美術館で複製されている事を知り、大喜びで徳島まで行きました。憧れの「愛の勝利の寓意」に出会った瞬間、感激してしばらくその場所から動くことができませんでした。

この作品は、フィレンツェで1503年に生まれ、メディチ家の宮廷画家としても活躍したアーニョロ・ブロンズィーノが1545年に描いた作品です。
中央だけ見れば、愛と美の女神であるヴィーナスが息子のキューピットにキスをして愛情を確認しあっている愛を感じる素敵な作品に感じます。この二人と右側にいるいたずらな表情の男の子は明るく繊細なタッチで描かれていますが、背景には暗いタッチで二つの仮面や怒れる老人、顔色の悪い老人等この二人には似つかわしくない物や人が描かれています。このタッチの違いがヴィーナスとキューピットをより美しく見せています。

この絵は、人によって様々な解釈がされており、未だに謎の多い作品です。美しいヴィーナスが恋愛関係を混乱されているキューピットに憤慨して、その武器である矢を取り上げるために母の愛情を利用してキスをしているうちに矢を取り上げているという解釈もあります。個人的には、母の武器を使ったというよりもそれも子どもを心配する母親の愛情だと感じます。そこに嫉妬や欺瞞といったものが描かれる事により、より深みを感じさせる素晴らしい絵画になっています。

文:るるるるん

愛や時、正義を描いた画家

ブランズイーノの「愛のアレゴリー」という作品は、描かれている人物が不思議な表情をしていたり、なんでこの人物の後ろに全く関係ないようなものや人が描かれているのかなど不思議さと透明感がある作風が魅力的です。

中央の女性はリンゴを手にしているのでヴィーナスが描かれています。ヴィーナスの右側の子供の後ろには蛇がいるので、子供という純真無垢な人物の後ろに怖い蛇。この関係性は何だろうと考えさせてくれますので、見る人をどんどん引き付けていくような謎の多い所が、計画的にそう描かれたのか、たまたまなのかはわかりませんが、天才的だなと思います。アレゴリーとは時、愛、正義を意味するので、ヴィーナスや子供達から愛がわかり、老人が砂時計を肩に乗せているので時を表しているのだと次々に意味を発見していけるのがパズルみたいで面白いです。ただ、どの人物の表情も少し冷たさや人工的さを感じてしまうので、人の温かみよりも、時間の流れや、正義と闇といったものを表している作品なのかなと思います。仮面が出てきたり、子供の足に何かか巻き付いていたり、老婆のような人物がいるので、けっして、愛や純粋さというケガレのないものだけではなく、その裏にある精神的な感情を描きたいのかななど、見れば見るほど謎が多い作品でそれを探して答えを自分なりに出すのが楽しい作品です。

文:mariko s

キレイ!! でもよく見ると不気味!? 様々な寓意を秘めた絵画「時と愛の寓話」

絵の中央では美しい少年と美女が甘いキスを交わしている。
そのすぐ後ろでは幼い子供が笑顔でバラの花びらを投げかけようとしている…
一見すると、美しい愛を描いているような絵。でも、よく見ると何かがおかしい。
それがブロンツィーノ作、「時と愛の寓話」という作品です。

ルネサンス後半のイタリアで描かれただけあって、人物たちは陶器のような滑らかな筆致で描かれています。
それなのに、何かしら違和感を感じてしまう…
よく見ると人物たちに生気が感じられないのです。
表情もプロポーションもお人形のよう。
この時期のイタリア絵画はルネサンスの花が散り、先輩たちを真似ることはできても超えることはできない、という諦念のようなものがありました。また、宗教改革など、社会的な不安定さも影を落としています。

そしてマニエリスムという言葉が生まれました。
マニエリスム美術の特徴は、先ほど述べたようなお人形のような人物像。
この時期、ほかの画家たちもこぞってこのような人物像を描いています。
しかし「時と愛の寓話」に関しては、マニエリスムだけに収めきれない何かがあります。
まず、口づけを交わす男女。女性は大人であるのに対して、男性はまだ少年。親子ほども年齢差がありそうです。

そして何よりも周囲に描かれた人物たち…
バラの花びらをまき散らそうとしている少年はともかく、布で二人を覆い隠そうとしているかのようないかついおじさん。
般若のような形相で頭を抱える醜い女性。果ては美しいけれど頭のない女性から、可愛らしいけれど実は化け物らしい少女…
そして、仮面やら鳩やら。
何とも摩訶不思議なものが描きこまれています。

ここに書き込まれているものには一つ一つ意味があり、全体的には愛の不確かさや虚しさを描いているのだという解釈が一般的です。今、まさに無邪気にまき散らされようとしているバラの花びらは愛の儚さを。頭を抱える女性は嫉妬を。化け物のような少女は愛の甘さが故に身を持ち崩しやすい人間の弱さを…など。
絵の美しさを堪能しながらも、描きこまれた不思議で不気味な生き物たちに好奇心を抱くのも楽しい一枚です。
それぞれのモチーフの意味を、自分なりに考えてみてはいかがでしょうか?

文:小椋 恵

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