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鏑木清方

鏑木清方のここがすごい!

日本美を探求し続けた鏑木清方の絵画

近代日本を代表する美人画家として有名な鏑木清方はまず、泉鏡花などの作品の挿絵画家としてキャリアをスタートさせます。
彼が画家として歩みを始めた明治時代は、高橋由一に代表される西洋画が本格的に日本美術界にも登場しました。
それに対して鏑木清方の描く美人画は伝統的な日本画の延長線上にあり、西洋画のような遠近法や写実性はなく古典的ともいえます。
けれども、代表作の「朝涼」を見ると透き通るような白い肌の清潔感溢れる少女と背景の蓮畑のが溶け込むように表現されていて、単なる美人画ではなくて彼の生きた時代の風俗を絵画として残して置きたかった彼の社会画ともいえる作風が色濃く出ている作品です。
また、この作品に描かれる少女の表情は細かい所まで繊細に描かれていてノスタルジーも感じさせます。
明治・大正・昭和と三つの時代を生きた彼の作品は、伝統的な日本画の美意識や風俗に対するノスタルジーが儚げに表現されている所に彼の魅力があると言えます。

その彼の哲学は代表作でもある「築地明石町」でも、そこに描かれる日本美人が過去を懐かしむかのようにぼんやりと後ろを見つめている表情にも反映されていると言えます。
美の象徴として描かれる乳白色の肌の日本美人とうつろではっきりとした輪郭を失った背景に過ぎ行く時代のノスタルジーを感じさせる鏑木清方の絵画世界は、日本人に心に強く訴える力があります。

文:ヴィヴィアン

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