山下清のここがすごい!
山下清の本当の才能とはサヴァンではない
山下清さんは、天才画家として日本でも有名人です。見たものを一瞬で記憶し、別の場所で再現してみせた山下清さんは健常者の人たちから見て本当に驚異的な存在に見えたことでしょう。
しかし、テレビでたびたび取り上げられるのは、彼の人柄だったり、障害を持っているうえでの称賛だったりと、絵の本質についてはあまり語られていないように思います。
山下清さんの持つ能力は、瞬間写真記憶能力と呼ばれるものだったのではないかと言われています。障がい者の人たちの中に、稀にこの能力を持っている人がいるのです。いわゆるサヴァン能力ですね。
画家として、こういったものは1つの大きな宝物ではあります。
しかし、山下清さんの絵をはじめて見たとき、私は彼の存在もその歴史も知りませんでした。それでも、なんという強烈で不思議な絵を描くのだろうと体が震え、その場でただただ驚いていました。
彼は、点を絵に使うことが多いのですが、その点の使い方がとても上手いのです。貼り絵だということもありますが、1つ1つの点が集合して作られた絵たちは、いくつかの線で描かれた絵と比べると、かなり圧倒されました。その1つ1つの点にも魂がこめられているような気がしてしまうのです。
山下清さんがサヴァン能力を持っている珍しい人だという理由だけで感動することも、確かに1つの事実ですが、それだけで彼が人をここまで感動させることはできません。芸術は心情を表現することも多く、山下清さんの心の中にひめている強烈な何かが、ここまで人々を感動させることができるのでしょう。
文:シジ
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