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百武兼行

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百武兼行のここがすごい!

日本人で初めて洋画で裸婦像を描いた「百武兼行」

百武兼行(ひゃくたけかねゆき)は、美術史においてはあまり有名ではないものの、
実はこの兼行、日本人で初めて洋画の裸婦像を制作した人物として知られています。
兼行は特殊な経歴の持ち主で、佐賀藩士の息子として生まれ、8才にして次期藩主の鍋島直大のお相手役に選ばれます。
直正からはよく慕われており、その頃から外国の文化にはよく触れていたのではと言われています。

彼は役人として幾度となく海外へと赴きますが、その仕事の合間に熱心に西洋画の技術を学んでいきます。
兼行3度目の海外赴任は、1880〜1882年に駐イタリア大使となった鍋島直大に随行してローマに赴いたもので、
熱心な兼行は外務書記官としての公務の合間に、街に借りたアトリエで西洋画の技術指導を受けながら制作を行います。

『臥裸婦』

様々な技術を習得しながら自分の制作を行っていた兼行がこの頃手掛けたのが裸婦像の「臥裸婦」でした。
これが日本人が初めて油絵で描いた裸婦像と言われるものです。
彼の作品はどれも写実的で、陰影をはっきりとつけたクラシックな技法が取られ、
後の日本に印象派の風が吹く以前の貴重な作品となっています。

彼の作品は全国に点在しており、歴史を流れを感じることの出来る作家の1人として、一度はお目に掛かりたい作品たちです。

文:siratama

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