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ウィーン郵便貯金局(オットー・ワーグナー設計)のここがすごい!
「近代建築の父」 オットー・ワーグナーを代表する息を飲む美しさの建物
ウィーン郵便貯金局は、「近代建築の父」 オットー・ワーグナーが建てた近代建築を代表する建物です。
ワーグナーは古典主義やアール・ヌーヴォーを経て、近代的なスタイルにたどり着きました。
この時期、建築工法がこれまでの石を積み上げる方式から鉄筋コンクリートへ、変わりつつありました。ワーグナーは郵便貯金局の壁面に薄い石材パネルを使用し、目立つ鋲で固定しました。遠目には壁一面がドットで覆われているように見えるほどなのですが、そうすることで外壁は石の「塊」ではなくて「板」だということをアピールしたのです。
その一方で、屋上には月桂冠の花輪の列や女性像など古典やアール・ヌーヴォーを思わせる美しい装飾も施されています。
入口を入り、進んでいくと郵便貯金局の中でも特に名高いホールがあります。
白を基調にし、天井と床はガラスで、明るく光にあふれています。天井はアーチを描き、その天井を教会建築のような列柱が支えています。息を飲む美しさです。
また、電灯や机、椅子などのインテリアもワーグナーによるもの。どれも美しく実用的です。細部に至るまでワーグナーの精神が行き渡っているのです。特に注目したいのは、ホールの壁際に並ぶ円筒。これは当時の新素材アルミニウムを使った通風孔なんです。当時は屋根の雪を溶かすという役割も果たし、今はエアコンの排気口として活用されています。
実用性と芸術性、古典と現代が溶け合うウィーン郵便貯金局。ワーグナーの理念が見事に実現した建物です。
文:sophia
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