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フォーヴィズム(野獣派)

フォーヴィズム(野獣派)のここがすごい!

自分の表現したいことは、相手の評価や反応を気にせず思うままに表現しつくせ!!!

強烈なタッチと荒々しい筆遣い、コントラストのはっきりした色使いをみて、当時人気のアーティストや巷のひとびとから悪口を言われながらも、自由な表現の追求で後世に影響を与えたのが、フォービズム(野獣派)と呼ばれるグループです。

現代アートでも人気のマティスや、ドラン、ヴラマンクなどがこのグループに属します。
名前はなじみはなくても、どこかでこんな絵観たことある、という印象の作風の絵が多いかもしれません。
美しい風景の絵というのとは対照的で、見たままの風景を写実的に切り取るのではなく、強調したいと思った線は黒、明るい光は黄色、太陽に照らされた屋根は赤、壁はオレンジといった原色の多用も多くみられ、強く風が吹いている季節の木々は、まっすぐではなく風が吹いている方向に歪んでいるなど、筆の勢いから喚起されるものが多い集団かもしれません。
自分の絵の好みというものがはっきりしていると、なかなか目にしないタイプの画家がここに属するかもしれませんが、この集団の作品からインスピレーションを得た作家達も多く、のちのピカソのキュービズムへと続いていきます。

ひとは往々にして、そのときの人気であったり主流となるものが何であるか?に敏感に反応して生きているものかもしれませんが、描きたい事象を自分の描きたいように、思い切ってダイナミックに表現してみるという気質の画家たちを見ることによって、刺激を与えられます。
もちろん彼らは、このやりかたの表現力を駆使し注目を集めたことによって、沢山の人の反感を買います。
しかし新鮮な驚きとともに時を経て、多くの芸術家の心に火をつけた結果をみると、私たちにも同様のことが言えて、好きだから観る、嫌いだから観ない、という反応の先に多くのものが隠されているような気がします。
表現しつくせ!!!と強い調子で主張を繰り広げたといいますが、その場の空気を読むことが求められることが多い現在の私たちにとって、このグループに属した画家たちの「あえて空気を読まない強さ」といえるものには、動的な明るさや、健康的な主張を感じずにはいられません。

文:soy

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