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バウハウス

バウハウスのここがすごい!

歴史の波にのまれた総合美術学校

かつてのドイツに、国際的に名をとどろかせ、今なお語り継がれる総合美術学校がありました。
その名はバウハウス。

写真、デザイン、工芸などを含む美術と建築の総合学校で、パウル・クレーやカディンスキーなど、歴史的にもそうそうたる画家が教壇に立ちました。
この新しい学校の設立には、ドイツの歴史が深くかかわっています。それまで絶対王政だったドイツ帝国が崩壊、共和制になりました。そんな中で新しい体制の学校を作ろうという動きが美術界にも伝わり、バウハウス設立となったのです。
最初は表現主義(利益を求めるのではなく、自らの表現を追求すること)と近代的な合理主義が入り混じる混とんとした学校だったようですが、やがては合理主義に統一。
幾度かの移転を繰り返しながら学校は続き、ついには国際的な評価を得られる合理的なデザインの学校として名をはせるようになります。しかし、その過程には、初期の表現主義の教育があったことは否めないでしょう。
あまりに合理的なものには温かみが欠けます。表現主義の精神が根底にあってこその合理的デザインでは無かったのでしょうか。

ともかく、近代化が進んだ当時、大量生産に適合するデザインを作れるバウハウスは著名な存在でした。
何事もなかったら、そのまま今でも続いていたことでしょう。
しかしこの学校は、歴史の波にもまれ、わずか14年でその歴史を閉じます。
当時のドイツにはナチスが台頭してきた時期でした。
ナチスと、バウハウスの校長であったマイヤーは政治的理念から対立。
軍国主義に走っていた当時のドイツは、ナチスによってバウハウスを解散させてしまいました。

しかし今、バウハウスの初代校舎で有名なデッサウ校舎にて、改めて総合美術教育が行われています。
メディア、アート、建築、デザインなど・・・20名ほどの小規模な非公式の学校ですが、新しい美術、デザインを生み出す場として注目を浴びているのです。

文:小椋 恵

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