安井曾太郎の作品紹介
日本を代表する人物画の天才画家「座像」
日本を代表する天才画家、安井曾太郎は人物画が定評があり、その描かれた人物がいきいきとしているところなどが大好きで、日本の画家の中でも一番大好きな安井曾太郎です。そして、京橋のブリジストン美術館にある「座像」という作品は美しい鮮やかな着物を着ている夫人の絵です。安井曾太郎はデッサンが天才的にうまく、見る人が驚きを隠せないほど巧みだったそうです。
この絵の素晴らしいところは、夫人が物静かな雰囲気の中にもしっかりとした意志の強さを感じるように仕上がっている点で、人物からエネルギーが感じます。そして、安井曾太郎の凄い所でもあるデッサン力ですが、まずは2~3週間で下絵としてモデルさんのデッサンをパパッと仕上げてしまうそうです。そしてその下絵をもとにじっくりと人物を仕上げていくというものですから、デッサン力が高いのに仕上がった作品は少しデフォルメされていて、誇張されていたり、控えめにあいまいに線や形が描かれていたりするところが、みっちりと絵を描くだけでなく、しっかりとした確実なデッサンのもとにそこから変化させて人物の特性を表している点が見事です。なので、絵の人物が今にも動き出しそうな雰囲気に感じるのです。生きているようですごいです。
文:mariko s
人物が動き出しそうな「玉蟲先生」
安井曾太郎は京都出身の日本画家です。若い時からデッサン力にたけていて、周りの画家たちもうならせるほどの実力だったそうです。
そんな安井曾太郎の作品には人物画がたくさんあります。どれもものすごく素晴らしい作品です。玉蟲先生という旧制第二高等学校の学校長を務めた先生がモデルになっています。安井曾太郎の人物画のすばらしいなあと思う点は、描かれた人物がいまにも動き出しそうなほどリアルに肉体の動きや周りの背景が描かれているところです。だからと言って完璧に写真のような絵ではなく、少しデフォルメされたところがあったり、控えめになっていたり、あいまいに描かれているところがいくつもありながら人物の様子が伝わるという点がまさに天才というところなのだなあといつ見ても感動します。どんな人物なのか、厳格なのか、穏やかなのか、上品なのか、などがその絵をみただけでぱっとわかるようなそんな絵の特徴があります。
デッサン力にたけているので、細かい所までしっかりと計算されているように描かれていないところがとても好きです。でもなぜかデフォルメされていても全体を見ると、デフォルメしていないように人物そのままの様子がリアルに描かれているのです。何とも不思議な安井曾太郎のタッチはお見事ですね。
玉蟲先生は東北大学資料館に保管されています。
文:mariko s
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