0

鎖国時代の浮世絵各種

鎖国時代の浮世絵のここがすごい!

よく美術系番組で、鎖国時代の浮世絵各種の調査旅といったものがみられます。

当時、醤油瓶、貴金属や正絹などの包材の一部として交易のあった地域を中心に、それらをストックしている人があり現在もたまに発見などがされていることがあります。ちなみに当時の醤油瓶などは、日本国内で焼かれている以外では、亜細亜の隣接国などによくにたデザインのものがみられ、海外でもそれらが存在しているといった調査や報告などもあり、古くにそういったエリアからやってきた技術者などの移動による影響があるのではないかとも言われています。

もとより浮世絵は、当時で言う市中のうちでも華やかに暮らす人々や、芸妓や演劇などの流行タレントの肖像を、皆が競って配布したものであり、量産されることが人気を表すといったもので、芝居にかかわる小屋や町などが競って作らせていたものでもありました。またそこから派生して、遊郭などでの人気のある人物の物なども多く作られ、配布されていたものもあると記録されています。浮世絵ということばが初めて記録に残るとされているのは1600年代ですが、当時もすでにみやびやかな風景をえがいた錦絵などや、物語読み物などを量産するものなどがありました。下絵師、彫師、摺師などが、その他の民具などの生産体制と同様で、小さく細分化されて塗り物や彫、読み物などの生産体制などと同様に形成されていきました。

人物を小さく、控えめに自然になじむように描く傾向にある日本やアジアの多くの芸術作品とは異なり、これらの浮世絵では、特定の城主や戦国武将などと同様に、比較的画面のサイズの中で大きく描かれているものがおおくみられています。

画面のほとんどを切り取り、絵の中心にちょうど背景が海のようにぽかんとあけて広がる感じで、日本の絵ではあまりみられなかった、海外の当時の広告ポスターの流行の構成を前後するように取り入れたかのようにも描かれているものなども多くみられます。

またその後、風景などを描いて、多く市民が求めることになった名所絵(風景画)とよばれるものがうまれ人気を博し、その後も外国人が、描かれた風景を求めて開国後に訪れるきっかけともなっています。
描かれる人物は、現存するものとしては役者絵の時代あたりから多く偏りをみせており、和装の美人=うりざね顔系の人物などが圧倒的に多くみられるといった研究成果などもあるようです。

ただ多く刷られているがために、各家庭などで雑紙として出され、梱包用に利用されていたとみられていますが、海外に同時期に送られてはいるもののあまり好んで残されなかった作品などの新たな発見なども、近年海外では見られています。

文:AIU

浮世絵が意味する鎖国時代とは?!

江戸時代、日本と貿易ができたヨーロッパの国は、キリスト教を広めないと約束したオランダだけでしたが、幕府は「出島」にオランダ人を住まわせると、出島の中のくらしはヨーロッパ風になり、出島ではオランダのほか、中国の商人との貿易も行われました。しかし、キリスト教が民衆に広まっていったことや貿易に問題点が起きたことから禁止(鎖国)に。しかし、鎖国は一度で決まり行われたわけではなく、徳川家康が段階を追って徐々にできあがっていきました。そんな背景、当時の状況がこの浮世絵にも残され現代に渡ってわかりやすく状況を伝える手段の一つとなっているのです。

江戸時代前、浮世絵は「うきよ」つまり「憂世」とかかれ、「辛くはかない世の中、変わりやすい世間」といった意味をもっていました。しかし、戦乱の世に平和が訪れると、人々の心は次第に晴れ渡り「浮世」と変化し、「現代風・当世風」という意味をもち、また書かれる絵も現代の様子・風俗画となり、人々が躍るような美人・人気歌舞伎役者・風景などが中心となりました。

また、本来の浮世絵はポスターやちらしのようなものであり、日常生活で使い捨てられるようなものでしたが、葛飾北斎などといったすばらしい絵師達によって、その浮世絵=日常生活・風景絵が、高い芸術性が多くの人を魅了し世界までもが認めるようなものとなったのです。すばらしい才能の絵師たちが、目にうつる情景を形に残すことはたやすいことではなく目の前の情景を描きながらそれぞれが様々な心境で描けれた作品ばかりではないでしょうか?!でなければ、世界までを魅了する作品にはならないでしょう。時代の背景を思い起こしながら見ると、また違った見え方がするかもしれません。じっくり眺め感じてみては?!

文:ra1k1

関連記事

1672 1125

当サイトはこれまで過去の有名な作家や作品を中心に取り上げてきましたが、微力ながら支援したいという思いも兼ねて、現役の作家さんたちも厳選しつつサイト内で紹介させていただこうと思っています。
インタビュー形式のアンケートよりご応募いただけます。詳しくは下記応募ページをご覧ください!
http://art-lover.me/new-artists-wanted/

周囲に作家活動に真剣に取り組んでいる方がいらっしゃれば、上記募集ページをSNSでシェアしたり、URLをお伝えいただけたりすると幸甚です!