高島野十郎のここがすごい!
自給自足の孤高の画家
高島野十郎は福岡県出身の画家でわりと裕福な家庭に生まれ育ちました。
決して生活の為に絵を描くのではなく、自給自足をしながら各地を放浪し、その土地の豊かな風景を描く一方、晩年まで蝋燭シリーズを描き続けました。
彼の絵は孤高という名前とは反対にとても豊かなタッチで描かれ、静かで凛とした印象を受けます。
鮮やかな色使いと写実的な描写が見事というより他ありません。
特に同じ題材を用いて描かれた蝋燭シリーズでは、ただ一本の蝋燭に点された火を描いているだけの絵ですが、同じものがひとつとしてないのも特徴です。
赤々と燃える火、少し黄味が強い火、暗闇にぼんやりと浮かぶほの暗い火、炎に少しキラキラとしたものが混じっているものなどそれぞれ鑑賞の違いを楽しめる作品です。
題材としては派手なものもなく陰鬱とさせるようなものが多いにも関わらず、なぜか温かみと光に対する美しさに心打たれることでしょう。
また彼の人物像ですが、最後まで一人で暮らし自給自足で暮らしを成り立たせ絵を書き続けたという孤高の画家ですが、実は家族がいるということを言うのが恥ずかしくて一人きりだと周りに言っていたという逸話が残されています。
普段はボロを纏ってはいたが、外出する際にはきちんと洋服に着替えていたという話もあり、実際は恥ずかしがりやのチャーミングな人物だったのではと推測するのも楽しい画家の一人です。
文:makiko
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