イヴァン・シーシキンのここがすごい!
それは写真ではない。「森の王」の名画です。
お隣の国だというのに、ロシア絵画は日本ではなじみが薄く感じてしまいます。
しかしロシアにある素晴らしい名画や、ロシアや周辺の国々出身である巨匠と呼ばれる画家の作品は、ぜひともご覧頂きたいもの揃い。
特にお勧めしたいのは、ロシア絵画の巨匠と言われる一人で「森の王」こと、イヴァン・シーシキンの作品です。
シーシキン作品と言われても、ぱっと思いつく物はなかなか出て来ないかもしれません。
ただ、もしも「ロシア絵画」と銘打っている画集やポストカードセットなどの中に、「なぜか一枚だけ写真が混ざっている」ということが起きたら。
大抵それは写真ではなく、19世紀ロシア絵画の巨匠・シーシキンの絵画作品であることがほとんどです。
自然を深く愛していたシーシキンは、「森の風景を描く」のが最も好きだったそうです。
そのためかシーシキンが描いたロシアの森は多くの人に感動を与えたそうで、過去にはシーシキン作品の一つ「松の森の朝」が、チョコレートの包み紙に印刷されていた時代もあったのだそうです。
シーシキンの称号「森の王」。
これはもともと、冗談好きな画家たちが、名声を得ていたシーシキンをそう呼んでいたとの話ですが……シーシキン作品を見れば見るほど、まさに「森の王」の称号がふさわしいように思えます。
実際に当時のヨーロッパでもシーシキン作品を「ロシア絵画で最良」と評したりと、高い評価を得ていたのだそうです。
シーシキン作品といえば、一見して写真と見まがうような精密さも素晴らしいのですが、「一枚の絵を通して深い森を垣間見ている」かのような、その穏やかで調和のとれた世界に感動したのも記憶に新しいです。
今に至るまで、ロシアはもちろん他の国でも、シーシキン作品は人気が高いという話ですが、大いに頷けました。
ロシアに行くのは難しくても、シーシキン作品を通して「ロシアの森」を、覗き見ているように感じる……。
自然をこよなく愛したロシア絵画の「森の王」こと、巨匠が手掛けた作品の偉大さは、その辺りにあるように思えます。
文:らんたん
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