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ジャン=バティスト・カミーユ・コロー

カミーユ・コローのここがすごい!

印象派に影響を与えた美しい風景画

印象派という言葉は、アートに興味のない人でも一度は聞いたことがあるでしょう。
その印象派の作家達に影響を与えたのが、バルビゾン派の作家達なのです。
バルビゾンとは、パリの街の名前であり、バルビゾン派とは、そこの街で描いていた作家達のことです。

ここバルビゾンは、美しい森が広がり、それらの絵を描いた作家達が多かったため、多くが風景画になっています。
中でもカミーユ・コローの描いた風景画は本当に息をのむほど美しいです。
「モルトフォンテーヌの想い出」という作品が有名で、この作品を見ていただければわかるかと思います。
見た瞬間に光を感じ、空気を感じ、音や香りまで届いてきそうなほどの美しさなのです。
まさしく”自然”を、コローの作品からは感じることができます。

この美しい光の描き方が、後に印象派の作家と呼ばれるルノワール達に影響を与えることになるのです。
印象派という有名な運動があったことにより、陰に隠れがちなバルビゾン派。
しかし、バルビゾン派の作家達がいなければ、もしかしたら印象派も出てこなかったのかもしれません。

どんなに素晴らしい技術や才能を持った作家であっても、何かしらの影響を受けているのだということがわかります。

文:いちご

カミーユ・コローの作品紹介

冥界からエウリュディケを連れ出すオルフェウスは、悲しい雰囲気が全体から滲み出ている絵画です。

カミーユ・コロー作「黄泉の国からエウリュディケを連れ出すオルフェウス」は、鬱蒼とした森の中をエウリュディケとオルフェウスが逃げている姿を描いた絵画です。
鬱蒼とした森が黄泉の国を、光が現世をあらわしており、もう少しで現世へ逃げ切る事ができる、その一瞬を描いています。もうすぐ逃げ切る事ができる、そう思った時のエウリュディケとオルフェウスは希望に満ち溢れていたと思います。

ですが、この絵画からは結局逃げ切る事ができなかったのだろうなという事がその暗い雰囲気で伝わってきます。奥に立って二人を見守っているのはギリシャ神話に出てくる黄泉の国の女王・ペルセポネと同じく黄泉の国の王・ハデスです。おそらくこの二人はこの後のエウリュディケとオルフェウスの運命を知っていたのだと思われます。

オルフェウスはギリシャ神話に出て来る吟遊詩人で、エウリュディケに恋をします。ですが、エウリュディケは亡くなってしまい、黄泉の世界の住人となります。オルフェウスはハデスにエウリュディケを現世に連れて帰りたいと懇願し、ゼウスは黄泉の世界を抜け出すまで振り返らない事を条件にエウリュディケを連れ出す事を許可します。この絵画では描かれていませんが、エウリュディケが付いてきているか不安になったオルフェウスは、最後の最後でその事を忘れて振り返ってしまうのです。エウリュディケは再び黄泉の国の住人となってしまいます。暗い話を描いた絵画ですが、暗いからこそこの美しさを出す事ができていると私は思います。

文:るるるるん

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