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ジョン・ウィリアム・ウォーターハウスのここがすごい!
ときめきのウォーターハウス
美しい女性をロマンティックに描かせたら、右に出る者がいないのではないかと思わせてくれる画家です。 もちろん、女性ばかりでなく背景の木々・布の質感・水の流れや淀みさえも素晴らしいです。このような彼の作品に心奪われてしまうのは私だけでしょうか。湖沼に浮かべた舟の「シャロットの女」のみずみずしい自然と彼女の下に敷かれたキルトは秀逸だと思います。
ギリシャ神話をモチーフにした「アポロとダフネ」「クピドの庭に入るプシュケ」「エコーとナルキッソス」など題材も魅力的です。また、文学を主題とした「シャロットの女」「オフィーリア」「テンペスト」等も忘れてはならないですね。
一見、描かれた作品のテーマがラファエル前派に近いので、彼もラファエル前派と思われがちですが、ロイヤル・アカデミーの画家なのだそうです。そのような事はどちらでもいいかな。いつまでも見ていたいと思わせる詩的な作品ばかりですから。
残念なのはオリジナルを日本であまり見る事が出来ない事でしょうか。画集でも溜め息が出てしまうくらいなので、本物を前にしたら、絵に吸い込まれてしまうかも…。独特の世界観があり私の中ではもっとも好きな画家のひとりです。
文:ブルーベリー
ジョン・ウィリアム・ウォーターハウスの作品紹介
写真のようにリアルなのに幻想的な「オフィーリア」
シェイクスピア作の戯曲「ハムレット」のヒロイン「オフィーリア」は、ラファエル前派をはじめとした19世紀イギリスの画家たちを魅了したテーマでした。
ラファエル前派に強い影響を受けていた画家ジョン・ウィリアム・ウォーターハウスも「オフィーリア」を描いています。
ウォーターハウスは、物語や神話の女性を多く描いた画家。女性も背景も写真のようにリアルで、それでいて幻想的な美しさがあり、人気を博しました。
そんなウォーターハウスが描いたオフィーリアは、1889年に描かれた草むらに倒れる「オフィーリア」、1894年の水辺に座る「オフィーリア」、1910年の青いドレスの「オフィーリア」の3点。中でも有名なのが、1894年に描かれた「オフィーリア」です。
ハムレットの戯曲そのままに、水辺の柳の枝に腰かけ、野の花で身を飾っているオフィーリア 。
オフィーリアは、失恋して狂気に陥り、花を摘みながら野をさまよい、柳の枝から水に落ち死んでしまうのです。
白いドレスと野の花を身にまとったオフィーリアは純粋そのもの。息を飲むような美しさです。狂気のうちにあるからこそ、純粋さと美しさが際立っているのでしょう。死が迫っていることも知らない無垢な姿に、胸が苦しくなるほどです。
背後には美しくも、どこか不吉な雰囲気の小川。睡蓮の花と葉が浮かび、幻想的です。オフィーリアの死の舞台にぴったりの場所です。
ウォーターハウスはこの場所を気に入っていて「ヒュラスとニンフたち」でも描いています。
文:sophia
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