ポール・シニャックのここがすごい!
新印象派を作り上げたと言ってもいい重要人物シニャック
時代の流れから話すと、19世紀末から20世紀初頭に登場した新印象派は数々の作家を生み出しています。その新印象派の萌芽とも言える点描画を生み出したのがスーラです。なので点描画で有名な人物といえば、スーラでしょう。恐らく日本人にとって一番見たことのある点描画は「グランド・ジャット島の日曜日の午後」ではないでしょうか。若死にしてしまったが故に有名になったスーラとは別に同時代を築き上げた功績高い人物がもう1人おり、実はこちらの方が新印象派を後世に残した重要な人物となるポール・シニャックです。
スーラの点描画が細かな点であるのに対し、シニャックは少し横に長い太い線を用いて点描画を描きます(スーラと似たタッチのものも多くあるのですがそこは割愛いたします)。そのせいもあり近くでみると目が少しチカチカしますが、その独特の色彩は幻想的です。
そのような点だけで絵を描くには相当な研究が重ねられています。科学的な考察を行い、色彩理論を徹底的に追求し、パレットに色の具合を並べては見本帖を沢山作ったり、その熱心ぶりは相当なものでした。スーラとシニャックはこの点描画を研究するため独立芸術家協会を設立。結果的にこの運営に尽力を尽くしたのが生き残ったシニャックですが、何故か日本ではあまり評価されていないように感じます。そういった見えていない歴史部分にもスポットを当てて芸術鑑賞するのも良い勉強になると思います。
文:Yuina Yamakawa
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