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塩田千春

塩田千春のここがすごい!

糸が織り成す世界

ベルリン在住の塩田千春は、私が現代アート作家の中で最も引かれる作家だ。塩田千春の作品の中でも、無数の毛糸をまるでくもの巣のように張り巡らせる独特の空間インスタレーションは圧巻であり、初めて見た日から何年たってもその時感じた感覚が心に残る作品である。
空間を埋め尽くす絡み合う毛糸を見ていくと、絡み合う密度にも強弱があり、幾重にも毛糸が重なり合う激しい部分や、毛糸の密度が空いていて、そこからその先の空間が見える部分など・・・どこをとっても息を呑むほど美しいのである。
それはまるで、偶然が織り成す激しさと静寂のようで、この世界そのものを表現しているかのように思う。
絡み合う糸をじっと見ていると、もうこの先には進めないような感覚になるが、もう一方でどの糸が絡み合う場所をとっても、そこからはその先の空間が透けてみえるのである。
その表現からは、まさに「今は、この瞬間にある」ということを感じる。私たちは、その瞬間「もう前に進めない」と捉えることも、「どんな状況になっても必ずその先はみえるからなんとでもなる」と捕らえることもできる。
どれを選んでも間違いはない。塩田千春の表現する作品からはそんな生きる強さのようなものを感じる。

文:sukoyakawakame

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