カンディンスキー
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ワシリー・カンディンスキー

ワシリー・カンディンスキーはここがすごい!

とにかく構成が美しい!

見た目に分かりやすい「具象画」が実際に存在する何かを絵に落とし込んでいるのに対して、抽象絵画は作家の内面など、目に見えないものを表現したものです。
抽象絵画を「どう捉えたら良いのかよく分からない」という理由で敬遠なさっている方は少なくないと思います。
カンディンスキーの絵を見る上で一つポイントとなるのは、その構成の美しさではないかと筆者は思います。
円や直線など、ひとつひとつのモチーフを眺めていてもなんだかよく分からないけれど、それらの組み合わせ全体のバランスを眺めたときに、不思議と収まりが良いように感じるのではないかと思います。
これは、カンディンスキーのバランス感覚が非常に優れているからこそなせる業です。
よく分からないけど美しい。そこにカンディンスキーの思いを探る必要性はないのではないかと思います。絵を眺めていれば楽しくなったり不安になったり、大なり小なり心の揺らぎがある。それで十分カンディンスキーの思いは汲み取れたことになるのではないでしょうか。

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文:酒井聡

刺激的な抽象画

絵といえば風景画や肖像画、静物画などがを思い浮かぶものです。しかし画家として活躍した中には、そのような枠を超えた、作品を描いた人達がいます。
ワシリー・カンディンスキーは1866年生まれのロシア人です。彼の画家としての活躍はロシアだけにとどまらず、ドイツ、フランスと幅広いのが興味深いです。特にドイツにある美術、建築の学校として知られていた「バウハウス」において彼は1920年代に教師としても教えています。

そんな彼の絵の中には、見えるものが何か具体的に描かれているわけでなく、心の内面など抽象的なものがカンヴァスの上で表現されていたようです。彼の代表作の中には、「即興渓谷」(1914年)などがあります。また、同じ1914年に描かれた作品で、「即興35」などもあります。
この「即興35」は彼のインプロヴィゼーション(即興)のシリーズものとして知られています。絵を見ると、鮮やかなペイントがカンヴァスに思いっきりちりばめられています。黄色、緑、青などの色が目立ちますが、そこに赤のアクセントも入っています。

何かを見て描いたというわけでないため、何が描かれているのかはわかりません。しかし、「この絵を飾ってみたら、きっと部屋が明るくなるだろうな」という印象を受けます。この絵は刺激的で、何か新しいアイディアを生み出す助けをしてくれそうな所が魅力的です。

文:ラブリー

カンディスキーの作品紹介

モネからカンディンスキーへ 抽象絵画の誕生『即興 渓谷』

クロードモネ。言わずと知れた印象派の巨匠。同じ印象派巨匠のルノアールが人物像を好んで描いたのに対して、モネは風景を描いた。刻々と移り変わる日の光の変化。その一瞬の美しさをキャンバスに残すこと。それが、モネが自身に課した生涯の課題でした。

そのモネの作品に『積み藁』シリーズがあることはご存知の方も多いでしょう。そしてこの積み藁シリーズを見たひとりの若い画家が、絵画の新しいジャンルである抽象画を生み出したのです。
その画家はワシリー・カンディスキー。ロシア出身の画家です。

はじめはオーソドックスな肖像画を描いていました。しかしある時、モネの積み藁を目にします。
カンディンスキーは、初めて見たときはその絵が何を書いてあるか理解できませんでした。

しかし、その色彩の強さ、美しさに心打たれます。アカデミックな美術ではデッサンを重視し、物の形をしっかりとらえる事を重要視します。当然、カンディスキーもそういった教育を受けてきました。しかし、モネの絵はその価値観を転倒させました。

形がきちんと理解できなくても、絵画は成立するー色彩の美しさを追い求めることもまた絵画である。
この想いがカンディスキーを抽象絵画への道に歩ませます。

事実、カンディスキーの一連の作品を見ていると、どんどんと『形』へのこだわりが無くなってゆき、色彩だけで表現されてゆくようになっていっています。
最終的にたどり着いたといってもいいであろう『即興 渓谷』 おそらくは渓谷の美しさを色彩だけで表現したものでしょう。

かつてモネが仲間たちと開いた展覧会には『印象 日の出』という作品がありました。
その作品から印象派とい名前が生まれたのを知っている方も多いと思います。
このカンディスキーの作品には、自分の新しい道を見せてくれた先輩画家への敬意が感じられるではありませんか。

文:小椋 恵

コンポジションシリーズ&ダーミーヴクリノニナ(クリノリンスカート)♪

もう何年も前に見に行った展覧会ですがロシアの画家ということですごく興味がありました。その当時(その展覧会がある前後)はよくロシアのトレチャコフ美術館展などがよく開かれていたような気がします。トレチャコフ美術館展にも実はいきましたが私は個人的に何て言うか…ロシアの絵画とか文学に興味はないけどすごく惹かれる傾向があるんです。とても印象的に感じるというか自分の色彩感覚やセンス(洋服やインテリアや何かものを選ぶときの…)の源になっているのかもしれません。特にロシアの作家の美術品を観たときになぜかこれと近いような感じ…そういう感じでしょうか。抽象絵画から受ける影響とはそういうものではないでしょうか。よく人に話すとき抽象絵画はホントよくわからない?って話しますが感覚で表現されたものを論理的に説明しないでやはり感覚で答える事の感性の刺激がされるような感じがします。この展覧会はもしかしたら私にとっては人生の中で貴重な体験であり自分に影響を与えるアートとの出会いだったのかもしれません。カディンスキーの絵画は抽象絵画の中でも一番詩的な表現がされているような気がしますがそれはパウルクレーなどの抽象絵画とは違う前衛的な表現の仕方がまた違って゛抽象絵画の創始者″ならではの気迫を感じさせるんです!

文:まやにゃん

ワシリー・カンディンスキーの基本情報

経歴

1866年 – 1944年
円や直線、四角などが組み合わされた、幾何学的な絵が特徴の画家。抽象絵画の創始者のひとりと言われています。
ロシア出身で、ドイツ、フランスでも活躍しています。
フランス印象派展でモネの『積藁』という作品に影響を受け、画家を目指すようになりました。

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