横尾忠則のここがすごい!
商業ポスターという概念を芸術に昇華することに成功した美術家
横尾忠則の作品は、大きく二つの時代に分けられる。
グラフィックデザイナーとして活躍していた頃の前衛的ポップアイコンとしての作品。
次に1980年以降「画家宣言」をした後に手掛けた油絵などを中心とした作品。
多様な技法を使い、ひとつの枠にはまらない作風。
しかし一目見ただけで、これは横尾忠則の作品だと主張している。
膨大な作品の数、そして今なお衰えない制作意欲には、驚かされる。
横尾忠則の魅力を一言でいうと、緻密に計算されたデザインと、大胆な色使い、そしてその情報量の多さだ。
一枚の絵から、見る人に膨大な情報量を与える。
彼は、サービス精神に溢れた人物なのではないかと考える。
自らの作品のオマージュ、引用を用いて、繰り返し同じモチーフを使用する。
そんなところも彼の遊び心、サービス精神ではないだろうか。
横尾氏の作品には「死」のイメージが漂っている。
ご本人も「精神世界」に傾倒していた時期があり、作品に色濃く反映されている。
有名なY字路シリーズも長く描き続けられているモチーフの一つである。
目の前に現れたY字路の分かれ道、その奥になにが続いているのか、
見る人の想像を掻き立てられる作品である。
神戸市に横尾忠則現代美術館という美術館がある。
横尾忠則の作品が常展されているのだが、是非一度、足を運んでもらいたい。
会期ごとに展示されている作品も変わり、何度足を運んでも楽しめる。
美術館全体が横尾忠則の作品の一部なのだ。
文:72
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