ザハ・ハディドのここがすごい!
奇抜なアイディアで造られる、有機的な曲線美を持つ作品
ザハ・ハディドはイラク・バグダッド出身の女性建築家です。2020年の東京オリンピックに向けて開催された「新国立競技場」のコンペで最優秀賞を獲得したことで、日本中にその名が知られるようになりました。残念ながらその案は実現せず、その後彼女は2016年に亡くなってしまいました。
作品の革新性・奇抜さから実際に建築されなかったプロジェクトも多く、「アンビルトの女王」と呼ばれることもありましたが、近年は優れた建築を世界中に残し、建築界のノーベル賞と呼ばれるプリツカー賞を受賞しています。
「新国立競技場」のコンペの後、東京でザハの建築展が開催され、私はそこで彼女の魅力を知りました。
一目見て衝撃を受けたのはアゼルバイジャンに建つ文化施設「ヘイダル・アリエフ・センター」です。建築に対して四角い、箱形のものという漠然としたイメージを持っていましたが、一枚の布でできているような、波打つ、有機的な外観を見て、こんな建築が存在するのか!と驚愕した覚えがあります。
彼女の建築には力強い直線を活かした作品もありますが、私は自然物を感じさせる曲線美を持った作品が特に好きです。
また、彼女は家具や食器、シューズなどもデザインしており、展覧会では「リキッド・グレイシャル」という透明なテーブルが目を引きました。表面はさざ波がたっているように揺れています。そこから下に向かって、水が渦を巻き流れ落ちるように脚が伸びていて、もし水でテーブルを作ったらこんな感じだろうな、と思わせる出来でした。
彼女は空間の質というものにこだわっていたそうで、単純にお金をかけるのではなく、アイディアによって贅沢な空間をつくる、という考え方を持っていました。建築にもプロダクトにも、その哲学を感じることができます。
文:cawase
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