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フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー

フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサーのここがすごい!

くねくねカラフルで楽しいフンデルトヴァッサーの魅力

フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサーは20世紀に活躍した建築家であり画家でした。芸術における無機質さと既存の美術的な常識を否定し、独自の美学に則った作品を数多く残しました。その色彩の洪水のようなカラフルな色使い、繰り返される渦巻き模様、直線ではなく曲線を好むことなどが、彼の作品の特徴として挙げられます。それらはやはり、先に述べた彼の信念や美学に基づいたものでした。

代表作は、ウィーンにある公共住宅建築「フンデルトヴァッサー・ハウス」やオーストリアにある温泉宿泊施設「ログナー・バード・ブルマウ」が有名です。どちらにも共通して言えるのは、自然との調和をテーマに設計されている点とその浮世離れした外観という点です。よくもまぁ、こんな奇想天外な建物を建てたものだなぁと私はただただ感心してしまいます。まるでテーマパークのような、絵本の世界のような、そんな感じです。その突飛なデザインと構想を思いつき、それを具現化してしまうところにフンデルトヴァッサーの凄さがあるように思います。

そんなフンデルトヴァッサー作品が、実は日本にもあります。それは「大阪市環境局舞洲工場」というゴミ焼却施設と「こどもの街」というキッズプラザ大阪内にある施設です。どちらも大阪市内にある建造物ですが、興味のある方は是非。アート好きは必見だと思います。

文:パンタレイ

フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサーの作品紹介

自然との共生がテーマになっている『大阪市環境局舞洲工場』

オーストリアの芸術家であり建築家でもあるフリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサーは目を引く鮮やかな外観とテーマパークのような建築でよく知られています。画家を目指したフンデルトヴァッサーがまず訪れたのは北アフリカのどこまでも続く乾いた大地でしたが、そこで彼を魅了したのは床も壁も赤い土でできた伝統的な土の家でした。自然と共に暮す、そんな生き方に強く心を打たれた彼は夢中になってキャンバスにその光景を描いたといいます。日本では大阪にある『大阪市環境局舞洲工場』が有名です。海に向かって建っているのでまるで夢の国のようでもありますが、この建物はなんとゴミ処理場なのです。ゴミ処理場の1日の処理能力は900トン(=ゾウ180頭分)!見た目だけでなく機能もかなりパワフルですが、ゴミ処理施設独特の硬質な感じはなく、建物にはいまにも呼吸を始めそうな生命力があります。 環境保護建築といわれる個性的な作品をいくつも残しているフンデルトヴァッサーの言葉に「自然界に直線などない。だからわたしの建築にも直線はないのである」というものがあります。建物や人間はあくまでも自然界の一部なのだ、というメッセージが個性的でユーモラスな彼の建築の中には込められているのですね。

文:キャッチリバー

「ウィーンのガウディ」のカラフルで楽しい家

フンデルトヴァッサーハウスは、オーストリアの建築家フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサーがウィーンに建てた公共住宅です。
フンデルトヴァッサーは、ウィーンのガウディと呼ばれる人物。「自然と共に生きてこそ人間は、よりよい生活を送ることができる」として、自然を感じさせる建物を設計しました。
そうしたフンデルトヴァッサーの思想に共感したウィーン市長は1977年にフンデルトヴァッサーに公共住宅の設計を依頼します。しかし、フンデルトヴァッサーの設計があまりに奇抜だったため、反対にあい計画は中断。1986年にようやくフンデルトヴァッサーハウスが完成しました。
その建物はフンデルトヴァッサーらしさが存分に発揮されたものでした。壁や廊下はカラフルな色で彩られ波打っています。屋上やバルコニー、そして建物の中にも緑があふれています。また、自然のように成長する家を目指していたフンデルトヴァッサーは壁を漆喰にしました。子どもの落書きや住む人の好みに対応して塗り替えできるようにしたのです。
当初は批判を浴びたフンデルトヴァッサーハウスでしたが、完成すると入居希望者が殺到しました。現在も入居希望者は後を絶たないそうです。
私たち観光客は外観だけしか見ることはできませんが、外観だけでも楽しくなるような魅力にあふれています。また、向かいにはフンデルトヴァッサーヴィレッジがあり、フンデルトヴァッサーの世界観の中で飲食や買い物を楽しむことができるんですよ。

文:sophia

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