ノーマン・ロックウェルのここがすごい!
良きアメリカの時代のイラストレーター
絵画とイラストレーションの違いが何かよく判らなくなる事がある。例えば雑誌の表紙絵や広告用に使う為の絵はイラストレーションで、そういった商業目的でなければ絵画なのだろうか。ノーマン・ロックウェルの場合、長い間「サタデー・イブニング・ポスト」という雑誌の表紙絵を描いていた。先の分類ではイラストレーションになる。子供や女性や家族の日常シーンを切り取り、表情豊かに生き生きと描いている。これは雑誌の表紙でなくても十分評価に値する作品ではないかと思う。
ノーマンロックウェルは1894年にニューヨークで生まれる。日本は明治27年で日清戦争が始まった年。ロックウェルが「サタデー・イブニング・ポスト」の表紙絵を描き始めた22歳の頃、日本は大正5年の大正デモクラシーの時代。日本という極東の島国が西洋諸国に追いつこうとしていた時期に、アメリカではこんな絵が描かれていたのかと文化と歴史の違いを考えさせられてしてしまう。ちなみにノーマン・ロックウェルはこうした絵ばかりでなく、肖像画も描いている。アメリカ大統領も何人か描いており、中でもケネディの肖像は印象深い。(ケネディの肖像は、ロックウェルの再来と言われたバーニー・フュークスも描いている。この二人の肖像を見ると、肖像とは何か、アーティストとは何かを考えるきっかけとなると思う)。
文:まさひろ
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