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グランマ・モーゼス

グランマ・モーゼスのここがすごい!

アメリカンナイーフアートの女流画家

大好きな画家といえば、アメリカン・ナイーフのグランマ=モーゼスことアンナ=メアリ=ロバートソン=モーゼス(1860〜1961)です。
20年ぐらい昔に美大の友人に伊勢丹美術館の『アメリカンナイーフの女流画家』展に誘われたのが初めての出会いでした。
特に期待もせず ランチのついでに ぐらいで見に行ったのに、ただただ こういう世界があったのか?!とワクワクの連続。
その時は、グランマ=モーゼスが、おばあちゃんの年齢になってから絵を描き始めた事もバックグラウンドも何も知りませんでした。
グランマ=モーゼスの素朴な描写を見て、ウン?遠近法がまちがってる?!
いやいや無視してる?
いやいや 彼女は遠近法とか描けないんだ。
というより そんな事は気にしないで楽しく描いてる。
画面から『あたたかさ』が伝わってきました。

なんだろう?
なにかに似てる。。。この感じ
そうだ、幼い女の子の『おままごと』みたい。
何才になっても女の人の中に存在する幼い女の子。
グランマ=モーゼスの画面にはそれが、あふれてる。

後年、正規の美術教育を全然受けていない苦労続きだった人生のグランマ=モーゼスが、世界的有名な画家になり美術館所蔵作家になったのも
「人生っておもしろい!」
グランマ=モーゼスが、はたして そうなりたかったかどうかはわからないけれど、

幼い女の子のように夢中になる時間と
『自分の中の幼い女の子』をいつまでも大切にしたいと思わせて下さる大好きな画家です。

文:松本タマキ

楽しくて、描かずにはいられなかったような作品が心を打つ。

グランマ・モーゼスは、アメリカのナイーブアートで有名な画家です。
画家とは言っても、アメリカに多いプロフェッショナルなタイプのアーティストではなく、70才を過ぎて患ったリウマチのリハビリのために絵筆をとったというおばあさんです。
貧しい農家に生まれ育った彼女は、幼いころからその人生は働きづめでしたが、幼い頃、父親から絵という物は楽しければ楽しいほど良いと教えを受けるなど、
その自由な作風をつくる下地はあったようです。
元々才能の豊かな人であったらしく、刺繍などの作品に人気があったようです。

彼女は古き良き時代のアメリカの景色や人々を描いていますが、アメリカ人ならずも農耕民族である日本人の私達の心をも引き付けます。
遠く見降ろした広々と広がる暖かな風景画に技術的なテクニックはないとされていますが、その根気や色使いには、潜在的に豊かな才能だけでなく、
製作するにあたって、楽しくてそれを描かずにはいられなかったような豊かなイメジネーションが際立っています。
自分が手がけるものが全くその通りなのですが、描かねばならない義務ゆえの、駄作が多い世にあふれたアート作品とは対極的な、グランマ・モーゼスの作品を目にすると、
初心に帰りたくても帰れないもどかしさと同時に、心が暖かくなります。

文:maru

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