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堺筋倶楽部アンブロシア

堺筋倶楽部アンブロシアのここがすごい!

銀行の面影が見え隠れするレストラン

大阪・南船場の堺筋沿いにふとヨーロッパの街角に迷いこんだかと錯覚するような一角がある。石造りのバロック・新古典主義様式のビルが放つ雰囲気のせいだ。『堺筋倶楽部アンブロシア』というレストランである。
昭和6年(1931年)に建造された、東京川崎財閥の大阪支店だったビルだ。
洒落た外観を眺めているのも楽しいが、足を踏み入れた中にもそれはそれは素敵な空間が広がっている。
高い吹き抜けの1Fホールはイタリアンレストラン「アンブロシア」で、銀行時代は営業室として使われていた。開放感にあふれ、高い位置にある窓から差し込む陽射しが気持ちいい。内装も銀行の造りを残してあり、重厚な扉の奥にある旧金庫はワインセラーとして活用されている。2F3Fのフレンチレストラン「リストワール」は役員室や電話交換室だった部屋を利用してあり、個室での食事が楽しめるようになっている。
イタリアの国旗がはためいていることでかろうじてレストランであると分かる控えめさも洒落た印象に一役買っている。このビルの魅力はやはり中から強く感じられる。空間を贅沢に使ったレストランに垣間見える銀行の面影。ほどよくピリッとした空気が漂ってくるような気がする。

文:ウぇるビス

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