中銀カプセルタワービルのここがすごい!
黒川紀章最大のアバンギャルド建築 中銀カプセルタワービルも本人以上に個性派!
昭和世代にとっての黒川紀章先生と言えば、「あんなに美しく上品な奥様とあれだけのキャリアで偉い先生なのに、テレビに出てお話しすると、どうしてあんなに面白いのかしら」というところにある訳ですが、そんな黒川紀章先生の物件は、知られているだけでも「先進性、公共性、汎用性」その他…建築として備えるべき基本はしっかりと持ちながら、利用者や購入者を納得させるものが多いとも言われています。
そんな中でも、とくに物件オーナーの満足感も高く、かつアート鑑賞者にも人気なのが、「黒川紀章先生最大のアバンギャルド建築」とも呼ばれている中銀カプセルタワービルです。
建物が社会やその利用者などとともに有機的に成長していく「メタボリズム」という考えのもとにつくられている物件がこの「中銀カプセルタワービル」。
丁度物件自体が、羽田から都内に入るときの幹線道路などから当時見やすいエリアにあり、世界的な世界建築ビエンナーレ・グランプリ・ゴールドメダル、フランス芸術文化勲章なども受賞している注目度もあって、「東京に来た!日本に入国した!」ときのアイコンとしても70~90年代には世界中の人に広く認知され、東京スケッチ的な絵画には描かれることも多くある物件でした。
購入時にはカプセルごとに交換が可能とされており技術的にもそれを満たす構造が採用されていますが、現在老朽化やその交換が行われないことなどで論議を集めているところでもあります。
ですが、人工物としてこういった建築を大がかりに世界の主要都市に採用した、きわめてまれな物件としては、やはり注目すべき点があるかと思います。
内部は建物の柱や主要構造に対して、小さな部屋単位の外壁を伴うユニット箱を取り付けたような集合構造。
そして、1ユニットごとに丸窓があり、船窓や宇宙船の窓のような気分も味わえます。
まれに見学会などのツアーも行われており、生きている間に1度くらいは、じっくり見ておくべき物件です。
文:AIU
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