海北友松のここがすごい!
重要文化財のオンパレード、天下人に才を認められた絵師
海北友松と言えば、NHK大河ドラマ「春日局」にもその役があった、天下人に才能を認められた安土桃山時代、江戸時代の絵師です。元々は武家の出でしたが、父親の死亡をきっかけに禅寺で修行をし、その際に狩野派の師に仕えたことが才能を開花させるきっかけとなりました。兄弟も戦で死亡したため、海北家再興のために還俗して武士として生きようとしましたが、その際に豊臣秀吉に絵の才能を認められたため、絵師として生きることになったようです。
海北友松の山水図をはじめとする多くの障壁画は、京都の妙心寺や建仁寺と言った有名寺院などの重要文化財になっており、東京や京都の国立博物館所蔵のものも多くあります。
その画風は禅寺で学んだ侘び寂が感じられ、幽玄、静寂と言った現代の喧騒とはかけ離れた自然を感じさせます。特に水墨画にそういった傾向が顕著であり、絵から静けさが漂ってくるような画風です。
一方で妙心寺蔵の花卉図のように、金箔が施された屏風絵は、禅宗の趣を持ちながらも天下人好みの重厚さや力強さがあり、狩野派の影響を強く感じます。
建仁寺本坊大方丈障壁画をはじめ、スケールの大きな作品もある海北友松。京都の寺院や東京の国立博物館などを訪れた際には、ぜひチェックしたい絵師です。
文:有紀 黎
海北友松の作品紹介
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