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ジョルジョーネ

ジョルジョーネのここがすごい!

ジョルジョーネの「嵐」は自然の雄大さを感じる作品です。

ジョルジョーネの「嵐」は、深い緑色が印象的な雄大な自然を感じることのできる絵画です。
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今まで、この絵は風景画だと思われていましたが、実は違うのではないかと言われています。この絵には雷が描かれており、雷はキリスト教では神罰を意味しているという事から実は風景画ではなく別の意味が込められている可能性が出てきたそうです。様々な解釈がされていますが、明確な答えは出ていません。

この絵には男女や建物、雷が描かれていますがそれ以上に雄大な自然が描かれています。その自然に男女や建物が調和して見えるので、個人的には人間も自然の一部だという事を意味しているのではないかと感じました。

この「嵐」の作者であるジョルジョーネは、イタリアで1477年頃生まれ、ヴェネツィアで活躍した画家です。多くの画家がジョルジョーネに影響され、ジョルジョーネ風の絵画が数多く生まれました。それほど影響力のあった画家であるにも関わらずはっきりとジョルジョーネが描いたと分かる作品はたった6作品しかないそうです。謎多き画家として未だに多くの人を惹きつけています。
ヴェネツィアにあるアカデミア美術館にあるこの「嵐」は、その分かっている作品の一つです。他にも「ユディト」「眠れるヴィーナス」が有名です。

文:るるるるん

詩的な風景が素敵なジョルジョーネの作品

ジョルジョーネは16世紀に活躍したヴェネツィア派を代表する画家のひとりです。ヴェネツィア派の特徴は自由な作風で、制作の途中で何度もイマジネーションのおもむくままに形を変えていくというものです。そこが魅力のひとつなのですが、この嵐(ラテンペスタ)という絵はまさに謎めいた部分があります。ギリシャ神話でもなく、でも神をテーマにかかれたものであるが、なにがテーマなのかよくわからないというところです。この女性は赤ちゃんに授乳しているので、幼いイエスとマリアであるとされていますが、反対側にいる兵隊は何のためにいるのか謎です。この不思議な構成が自由な作風であるのでしょうね。突然、受胎告知を受けてイエスを身に覚えがないのに身ごもったマリアですが、実はこの兵士とマリアの子供がイエスなのかなという説も出ています。なるほど、そうみればつじつまがあいますね。清く正しく純粋なイメージのマリアですが、ちょっとこのような触れてはいけないようなゴシップが描かれているとすれば、今の世の中も昔も、人々が関心を持つ事柄は恋愛や誰と誰ができているという噂などなんだなと思って面白く感じます。それを実際に昔は口に出すことができないので絵画にタブーを描いていたのでしょうか。マリア様が裸というのも絵画の中では許されているという点が面白いです。

文:mariko s

ジョルジョーネの基本情報

流星のように駆け抜けた美男子の画家ジョルジョーネ

ジョルジョーネは15世紀イタリアの画家です。ジォルジォーネと表記されることもあります。本名はジョルジョ・バルバレッリ・ダ・カステルフランコですが、性格が大らかな大柄な人物だったため、大きさを表す語尾「オーネ」をつけて呼ばれるようになりました。代表的な作品に「テンペスト(嵐)」や「ラウラ」などがあります。

ジョルジョーネは1510年の秋にヴェネツィアで流行したペストによって死亡したと言われています。32歳~34歳という若さで亡くなったと言われています。美男子で有名でもあり、女性にも不自由せず、その時のペストも当時付き合っていた女性から感染したそうです。その女性がペストにかかっていることを知らずに逢瀬を重ねたとも、ペストにかかった女性の看病をしていてうつされたとも言われています。

ともあれ、その短い生涯の中で、光を色を調和させた独特の作品を生み出しました。その画風は同じヴェネツィアの画家工房で働いていたティツィアーノ等に影響を与えたと言われています。

冒頭で紹介した「テンペスト(嵐)」に描かれた内容についても様々な説があります。
画面の右側にいる、小さい子供をあやしている女性についても「ジプシー女」という人もいれば、ジョルジョーネの付き合っていた女性の一人ではないかと言う人もいます。また何かギリシア神話の一場面として描いたのではないかという説もあるようです。

若くして亡くなり、活動期間も短かった画家であるため資料も少なく謎の多い画家の一人であるようです。

文:田中夕霧

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