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ドガのここがすごい!
デッサンを繰り返して描き上げるドガ
ドガはフランスで活躍した印象派の画家です。銀行家の息子として裕福な家庭で育ちました。
印象派と言われていますが、印象派の特徴とは少し違う描き方をしているところがとても魅力があります。
印象派は外からの光で作られる作風ですが、ドガは外光ではなく、室内の人工的な光で作られる時間と空気を描いています。
また、印象派は戸外で描くことが多いのですが、ドガはアトリエで何度もデッサンを繰り返して完成させるという作品作りです。なんとも対照的な描き方が面白いです。共通するのは、瞬間をとらえて描くという点です。予測できないような瞬間をとらえて見逃さずにそこを題材に描くという点は他の印象派と同じで、素晴らしいです。
ドガはバレエがとても好きで、オペラ座の定期会員となっていました。バレエで踊る人を描いたものが多く、踊り子の画家とも言われています。
踊っている踊り子が、ふと見せる表情など一瞬一瞬の動きを見つけるのが大好きだったのでしょう。人の動きの偶然をとらえることに興味があって、美しいと感じていて、このように沢山の踊り子たちを描くようになったのでしょう。
描くところもバレエのキメのポーズではなくて、ありふれた動きを描いているところがドガにしか見つけられない踊り子の美しい姿であり、そんなところが描ける、見つけられる点は素晴らしいと思います。
文:mariko s
ドガの描く踊り子は美しい
印象派と言えば、光と空気を色で表そうとした芸術運動です。
モネやルノワールなどの代表作家があげられますが、多くの印象派の画家は、自然がメインの作品が多いように思われます。
そんな中で、エドガー・ドガという作家は、バレエの踊り子、つまりはバレリーナを多く描いたことで有名です。
踊り子達の舞台での演技の様子というよりも、稽古中だったり、本番前だったりといった、裏側の作品が多いです。
しかしどの作品も、本当に目の前で踊り子が踊っているところを写真で撮ったかのように感じるほどの躍動感があります。
また、身体の動きや顔の表情から、その踊り子の気持ちまで伝わってくるかのようなのです。
バレエをしたことのない人でも、ドガの作品を観ていると踊りだしたくなることでしょう。
身体を動かしたくなることでしょう。
ほかの印象派の作家達と比べて裕福な家庭で育ったドガだからこそ、バレエを定期的に観に行くことができ、舞台裏まで除くことができたのです。
そして、ほかの印象派の作家達と同じく、光と空気を色で表していて、とてもやわらかく優しい色合いです。
特にドガの作品は、全体的にセピアがかっているため、古い写真を見ているかのような感覚になります。
あたたかい気持ちになりたい人にはドガの作品がとてもおすすめですよ。
文:ひかり
あくなき探究者の一端
印象派の画家として名の知れた画家にエドガー・ドガがいます。踊り子を描いた画家として教科書にもよく作品が紹介されます。
ドガは1834年にパリで生まれています。印象派の画家たちの求めたものは光を色彩で表現することでしたが、ドガの作品にはそれも含まれますが、際立っているのは人体のフォルムの追及と構成だとも言えます。踊り子を描いた彼の作品はその集大成ともいえる作品群です。妥協のない構成とムーブマンは際立っているのではないでしょうか。
彼は気難しい性格だったようです。ある意味その性格は、表現の追及という点では大いに生かされたと思えます。こんなエピソードを聞いたことがあります。彼の作品を買ってくれた人がいました。ドガの手を離れたわけですが彼はその絵を再び自分のアトリエに持ち帰り、満足の行くまで手直しをしたというのです。この行為に彼の追及者としての一端がうかがえます。絵が売れたことに満足はしないわけですから、美を追求する画家としては一流と言えると思います。買った人にとっては迷惑と紙一重なのかもしれませんが、ドガにとってはいい絵にしたいという思いがそれを超えているのだと思います。一流とは何かに思いを馳せるエピソードに思えます。
文:竹中 悟
エドガー・ドガの作品紹介
カフェの一角で起こる日常のドラマ
エドガー・ドガ(1834−1917)は、フランスの印象派の画家として数々の名作を残しました。
そんな中私が今回注目したいのは1876年に描かれた「アプサント」という作品です。絵の中には2人の人物がカフェに座っている姿が描かれています。一人は女性、もう一人は男性。女性の前に置かれているお酒の種類は「アプサント」という名前の強いお酒であったと言われています。
絵のモデルとなったのは、ドガーの友人達として知られています。ドガーはこの絵の中であえて当時社会問題となっていたアルコールを描き、人々にこの問題と向き合うよう訴えたかったようです。
この絵の中でやはり注目したいのは、真ん中に座る女性の表情です。彼女は自分が見られていることに気づいていないのでしょう。斜め下を見つめています。そして、その表情はどこか悲し気です。また、その横にいる男性は彼女の状況にあまり関心を持っていないようです。隣に座っているのになぜか他人のような印象を受けます。
この絵を見ると、人々はまるで日常のワンシーンを眺めているような気持ちにさせられます。自分たちの社会の中で起こっている現実を突きつけられたパリの人々は一体どんな思いでこの絵を見たのでしょうか。ドガーの「アプサント」は、絵について深く考えさせられるだけでなく、この作品を見た当時の人たちについても考えさせられる興味深い作品です。
文:ラブリー
ドガの「ダンス教室」は女の子の仕草が細かいところまで描かれている傑作です。
エドガー・ドガの「ダンス教室」は、バレエを習っている女の子達一人ひとりの細かい仕草がしっかりと描かれている傑作です。普段はあまり見る事ができない、バレエ教室の女の子達が少しリラックスしている様子がとても良く伝わってきます。
エドガー・ドガは、1834年にパリで生まれた印象派の画家です。印象派とは言われていますが、ドガ本人はあくまで「現代生活の古典画家」と語っていたそうです。他の印象派の画家同様に浮世絵の影響も受けており、日本と縁のある画家です。特に葛飾北斎の影響を受けていたと言われています。
ドガの作品にはバレエを取り扱ったものがとても多く、この「ダンス教室」もその中の一つです。ドガは比較的裕福で、バレエの舞台裏を見る事が許されていた事から、普通の人が見ることができないバレエの舞台裏を数多く描いたと言われています。
この作品の中央に描かれているとても目立つ初老の男性は「ジゼル」で大成功を収めたジュール・ペローです。ペローが厳しく指導をしているのにも関わらず少女達は割りと自由気ままに行動している事から私は「あの年によくある少女達のワガママさ、自由さが本当によく出ている素敵な作品だな」と感じました。
文:るるるるん
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