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ピエロ・デラ・フランチェスカ

ピエロ・デラ・フランチェスカのここがすごい!

フランチェスカの描く、巧みな技法と舞台めいた宗教画の世界

ピエロ・デラ・フランチェスカは、初期ルネサンスである15世紀に活躍したウンブリア派の巨匠です。
宗教画の作品を多く残し、その技法はフレスコ、テンペラ、油彩と多岐に渡ります。
15世紀は油彩画の技法が確立していく過渡期にあり、彼もその変化に立ち会っていました。
当時は工房による制作であり、1枚の絵を複数人で描く事が出来たとはいえ、それぞれの技法は異なるものです。フランチェスカやその弟子たちも、それぞれの技法について習得する苦労をしていたはずです。
例えばフレスコ画は、支持体となる壁を塗った後、それが乾かない内に絵を描かなければいけません。一方テンペラ画は、細い線を何重にも重ねて色面を作り出す、とても根気の要る技法です。
芸術家にとって、技術の修得はもちろん時代への順応性が求められるのは、今も昔も同じですね。
またフランチェスカは数学者という一面もあり、代表作のひとつである「モンテフェルトロ祭壇画」などに見られる遠近法の表現は、実に巧みで理知的なものです。
絵の登場人物よりも、本来背景であるはずの建物に目が行ってしまうこともしばしば有り、画面全体の印象がどこか舞台めいて見えます。
その個性的な印象と、フレスコやテンペラ特有の明るい色調は日本の画家・有元利夫などに影響を与えたことでも知られています。

文:ゆかりん

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