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エル・グレコ

エル・グレコのここがすごい!

マニエリスム派の巨匠エル=グレコ

エル・グレコは1541年から1614年まで生きた有名なスペインの画家です。
現在のギリシアにあるクレタ島が出身地だったためエル(ラテン語の男性定冠詞)グレコ(ギリシア人)と呼ばれるようになりました。
主にスペインのフェリペ2世に仕え、数多くの優れた作品を遺しました。
そのため、その作品の多くは現在ではプラド美術館にあります。
トレドで生活していたため作品の一部がスペインのトレドにもあります。「オルガス伯の埋葬」という作品で、トレドのサント・トメ教会にあります。聖人や修道士を下半分で規律正しく並べる一方で、上半分の天上を表す空間では、強い風が吹いてるようなグレコらしい迫力のある構図になっています。

また、グレコの作品の中にも「トレード」というトレドを遠くから見た作品があり、メトロポリタン美術館に所蔵されています。「トレード」という作品はグレコの絵の特徴である、ドラマチックな構図と筆使いが随所に見られます。
実際より縦長に伸びた山や白い建物が下半分に配置され、不安定さが見るものの心をざわつかせる、歪んだように見える雲に覆われた空が上半分に広がっています。
風景画というと写真のような正確に風景を捉えたものが多い中、グレコの「トレード」は作者の主観が大きく作用しているように思えます。

文:田中夕霧

エル・グレコの作品紹介

圧倒される迫力と、神々しい迫力「受胎告知」

岡山県倉敷市の大原美術館にエルグレコの「受胎告知」の絵を見に行きたいと思ったのは、堀辰雄のエッセイ、「大和路信濃路」の中の一節です。
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堀辰雄は、「天使は天使で、闇のなかから突然ぎらぎらと光を発する異常なものとして描かれているし、その天使のほうを驚いて見上げている処女の顔も何かただならぬように見える。」と表現しています。
すぐにでも大原美術に行ってその絵を見たくなりました。
エル・グレコといえば、スペインの画家というイメージがありますが、本名はドメニコス・テオトコプロスと言って、クレタ島出身のギリシャ人で、1560年生まれ、当時としては長生きで73歳で亡くなったそうです。
荘厳な宗教画をたくさん描いた画家で、グレコの絵は独特な人物の描き方をしました。
9頭身から、絵によっては10頭身もあるかと思われるような不自然に長い人物像、現実にはありえないような強烈な光と影。
絵を目にしたとき、それは、圧倒的な迫力、鮮やかな色彩と人物の美しさで迫ってきます。
大原美術館の「受胎告知」は、それほど大きな絵画ではありませんが、マリアと天使の位置や不思議で強い光、あでやかな黄色や赤の衣装などが見るものを圧倒し、受胎告知という不思議な出来事が、キリスト教信者でなくても荘厳なできごととして信じてしまいそうになる迫力に満ちています。
エル・グレコは、ほかにも受胎告知のテーマの作品を残していて、プラド美術館などに所蔵されています。

文:レモングラス

ドラマチックな一枚「オルガス伯の埋葬」

1586年から1588年にかけて描かれた「オルガス伯の埋葬」は、スペイントレドにあるサント・トメ教会にあることで有名です。
エル・グレコはスペインのルネッサンスを代表する巨匠、偉大な宗教画家として知られていますが、その絵は非常に独創性あふれるものとなっています。エル・グレコは、マニエリスムという手法を取り入れ、あえて人物の手足を長く描くことで知られています。
この絵はサイズが大きいだけでなく、絵の中で繰り広げられるドラマが魅力的な作品となっています。絵の下半分では、地上で亡くなったオルガス伯爵が描かれていて、上半分には天国がドラマチックに描かれています。オルガス伯の後ろにいるたくさんの人々。中には天を見上げる人もいます。オルガス伯を抱きかかえているのは、聖ステファヌスと聖アウグスティヌスと言われていますが、彼らの着ている金色のガウンは鮮やかに輝いています。彼らを囲む人たちとは対照的な明るさです。
また、地上の上の世界では聖マリアや、キリスト、天使などが描かれていてまったく違う世界を演出しています。聖マリアが着ている赤い衣、キリストのまとっている白い衣、天使がまとっている金色の衣などが非常に色鮮やかに描かれていて、絵全体を明るく照らしています。画家が情熱をもってこの絵を描いたのが伝わる、ドラマチックな作品となっています。

文:ラブリー

エル・グレコの「ラオコーン」は見る人を魅了する絵画です。

エル・グレコの「ラオコーン」を初めて本で見た時、その迫力に圧倒されてしまいました。この絵画はエル・グレコの中でも唯一神話を取り扱った事でも有名です。1610年頃に制作されたと言われており、現在はアメリカワシントンのナショナルギャラリーで見る事ができます。

「ラオコーン」の作者であるエル・グレコは、1541年クレタ島で生まれた画家で、マニエリスム後期の巨匠だと言われています。その活躍は絵画だけに留まらず、建築や彫像の構想も手がけていたそうです。作品のほとんどが宗教画で、日本では倉敷の大原美術館で彼の「受胎告知」を見る事ができます。

「ラオコーン」がこれほどの迫力があるのは、出ている男性たちが大蛇と壮絶な格闘をしているからです。ギリシア神話にでてくるトロイアの神官、ラオコーンが女神に捧げるため馬に槍を投げてしまった事で彼の息子達が大蛇に絞め殺されてしまうという非常に悲劇的な場面です。
この絵画には中央にあのトロイの木馬が描かれています。このトロイの木馬が原因でトロイアは壊滅しています。この絵画では今起こっている悲劇とこれからの悲劇の両方が描かれているのです。
さらにこの絵画には謎が残されています。それは右側の二人の人物です。今まではアポロとディアナだと思われていましたが、近年の修復作業で新たな顔が出てきたので正体が分からなくなってしまったそうです。色々な解釈ができるのが「ラオコーン」の魅力だと思います。

文:るるるるん

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