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ジョアン・ミロ

ジョアン・ミロのここがすごい!

自由に踊りだす無邪気な感覚

ミロは、ピカソやダリと共に20世紀を代表するスペインの画家です。

有名作でもある「アルルカンのカーニバル」は、空腹から生まれた絵とされています。

その頃、ミロは食事を切り詰めるほどの貧乏で、お腹が空きすぎて幻覚を見るほどに。
それを絵に表現したのだそうです。
リズミカルで記号化されたモチーフが、無邪気な子ども心を思い出させてくれます。

ミロの絵には女性・鳥・星など繰り返し多く描かれていますが、これらはカタルーニャの自然が彼の重要な美の源になっています。
「記号こそ、魔術的な感覚を引き起こす」と語ったミロの作風は、それらのイメージを単純化し、記号で表現しているのが特徴です。
そんな中で、彼の作品は常に「誕生」であり、「死」も「成長」もないそうです。

イキイキとした線、踊りだす星、思わせぶりな黒の存在、そして弾むモチーフたちは、配列ではなく自由な動きを感じ、見ている者を楽しませてくれます。

初期の頃のミロは、売れない貧しさで大変苦労しましたが、最初に彼の絵を絶賛したのがヘミングウェイでした。
初期に描かれた「農園」は、ヘミングウェイが友人に借金をしてまで買い上げたことで有名です。

近年では、絵画「青い星」が約29億2000万円で落札されました。
未だに根強い人気を誇るミロの作品は、時代を越えても愛され続けています。

文:liro

世界に名をのこしたホアン・ミロの原点。

スペインは多くの世界的な画家を輩出しています。比較的新しい時代で見ると、ピカソも、ダリも、そうです。彼らと同時代に活躍したスペイン出身の画家にホアン・ミロがいます。1919年になって、1893年生まれの彼は、パリに出ます。彼のスタンスは狭いグループに属せず、より広い交友を持とうとしたことです。文学者、小説家などとの交流も記録されています。ヘミングウェイもその一人です。パリに出てからの彼の生活は大変だったようです。多くの若い画家たちがそうであったように、食べることがやっと、そういった状況だったようです。ミロは強い精神力の持ち主だったようです。一日一個のイチジク、そして水、それらを口にしながら制作をつづけたと言います。そしてある日突然幻覚に襲われます。彼は何とそれを自らの製作上のモチーフとして画面に取り入れたのです。現実のものを描いたのではなく、心にわきあがって来たイメージを描いたわけです。しかもそれが彼の製作上の持続的な糧になり、名作の誕生の基礎になったのです。このことは色々な解釈を生むことでしょう。私は彼の意志の強さに敬意を払うのです。絵筆を置いてしまっていたら、絵画史に燦然と残る彼の表現はなかったのですから。

文:竹中 悟

ジョアン・ミロの作品紹介

ユーモアたっぷりに作品を描くミロ

ホアン・ミロ(1893-1983)といえば、スペインの抽象画を描いた人として知られています。

そんな彼の作品の中で今回紹介したいのは、1949年に描かれた「太陽の前の人と犬」という作品です。まず、何が描かれているのかが、はっきりと伝えられているタイトルが印象的です。しかし、タイトルに書かれている物を絵の中に見つけるのは、あまり簡単なことではありません。
赤い丸で描かれているものが太陽だとして、その横にある顔は人のものに違いないでしょう。しかしさらに良く見てみると、もう一つの顔が右下に描かれている事に気が付きます。だとしたら、右上に突き出しているのはこの人物の足。つまり逆立ちしているのでしょうか。謎ときゲームのような感じです。そして肝心の犬。消去法で、もうすでに描かれているとわかっているものを除くと、絵の下の方に描かれているのが犬に違いありません。なぜ人物の一人が道の真ん中で逆立ちしているのかは、謎は残されたままですが、この絵を見るとどこか違う世界に来てしまったような気持ちになります。

ミロの絵すべてにユーモアを見つけることが出来るわけではありません。しかし「太陽の前の人と犬」にはそれを見つけることが出来ます。想像の世界ではこの世のルールは適応されない、そんなことを思わせる作品となっているように感じます。

文:ラブリー

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