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ジェームズ・マクニール・ホイッスラー

ジェームズ・マクニール・ホイッスラーのここがすごい!

ホイッスラー、彼の詩的、抒情性について

アメリカ出身の画家ですが、そうと知らなければ見破れない繊細さを持っている画家です。
彼の繊細さは描くタッチにも表れていますが、絵の題名も「ノクターン」「シンフォニー」と音楽のことばをよく使い、非常に抒情的、ポエミイです。
その絵画に流れるものは光と影、そして音楽。独特の構図は日本画から影響を受けたと言われ、そのことが逆輸入となって日本人に受けているようです。

ただ、彼は非常に厳格な性格だったようで、モデルに厳しい要求をしたことで知られています。
少女にですらきつい指示を出し、そのことで少女が泣きじゃくった、という逸話も伝えられています。
それはやはり父親が軍人であったこと、母親が敬虔なキリスト教徒だったこととまったく無縁ではないでしょう。

今でこそ評価の高いホイッスラーですが、彼独特の感性は当時受け入れられないことがあり、批評家に辛辣に言われることも多く、たとえば「黒と金色のノクターン―落下する花火」などは「まるで絵の具壺の中身をぶちまけたよう」と酷評され、名誉棄損の訴訟にまでもつれこんでいます。
見ているとかなりよくいるタイプの人間像なのですが、ホイッスラーの描いた絵はそんなことはどこ吹く風に、静かにたたずんでいます。

文:mihoratamako

美しさを追及した画家

ホイッスラーはアメリカに生まれ、イギリスやフランスを拠点として活動した画家であり唯美主義の先導者となった。
ホイッスラーは、当時主流であった歴史や道徳、教訓的な内容を伝える「物語る絵」を否定し、色と形の調和を探求することで絵画の中に純粋な視覚的喜びを生み出そうとし、「美のための美」を追求した。
ホイッスラーの作品には、アレンジメントやノクターンといった音楽の用語が多用される。
多くの絵は主題から作品を連想させるものや2つを結び付けているものが多いが、ホイッスラーは「音楽が音の詩であるように、絵画は視覚の詩である。そして、主題は音や色彩のハーモニーとは何もかかわりもないのである」と捉え、あえて主題に意味を持たせなかった。
見る者の想像の幅を広げ、自由な感性で視覚の詩を味わうことができる。

ホイッスラーの作品で最も心を打たれた作品が「黒と金のノクターン―落下する花火」だ。
これは夜のクレモン公園の中で打ち上げられた花火の落下する火花とその風景を描いた作品である。
公開当時、批評家ラスキンがこの作品について「まるで公衆の面前で絵具の壺の中身を(画面に)投げつけ、ぶちまけただけのようだ。」と批判したという。
夜空に大きく花開く花火ではなく、靄がかかった空の中ぱらぱらと消えかけていく火の粉を描いたこの作品。
キラキラと落ちていく火花は、とても儚くとても美しく思えた。花火が終わろうとする瞬間の切なさや美しさの余韻を感じた。

1つの絵に対して、そこから感じ取れるイメージや感じ方も見る者によって異なる。
そこがとても魅力的で面白いと思う。
たくさんの表情を持つホイッスラーの作品は、これからも多くの人の心を動かし続けると思う。

文:なつめ

ジェームズ=マクニール・ホイッスラーの作品紹介

色の調和と奥深さを追求「白のシンフォニーNo.3」

「白のシンフォニーNo.3」。クラシック音楽のようなタイトルの絵画です。しかし、描かれているのはけだるそうに座る二人の女性。音楽的な要素はなく、音や動きすら感じられません。

この作品を描いたのは、ジェームズ=アボット=マクニール・ホイッスラー。19世紀にイギリスで活躍した画家です。 ホイッスラーは、絵画に物語性よりも色彩の調和による美を求めました。そして、色の名前と「シンフォニー」、「ハーモニー」、「ノクターン」などの音楽的な言葉を組み合わせたタイトルをしばしばつけました。
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「白のシンフォニーNo.3」は、No.1、No.2に続くNo.3なのですが、 実はホイッスラー自身が「白のシンフォニー」と名づけたのはこれが最初。また、音楽的な言葉をタイトルに使ったのもこれが最初でした。

白い布がかかったソファーに座る白い服を着た二人の女性。白い背景に白い服、同じ色を重ねるのは当時としては革新的でした。一歩間違えば単調になるところですが、 ホイッスラーの鋭い感性と表現力で、白という色の奥の深さに驚きを感じるほどの画面となっています。特に白い服は、なんともふんわりと繊細に描かれています。

また、この作品はホイッスラーと親しい画家アルバート・ムーアの「首飾り」ととてもよく似ています。二人がいかに影響を受けあっていたかがわかります。もしかしたら一緒に作成したのかもしれません。見比べてみるのも楽しいですよ。

文:sophia

「白のシンフォニー」は白い服の女性がとにかく美しい作品です。

ジェームズ・マクニール・ホイッスラーの「白のシンフォニー」は、白い服を着た女性がとにかく美しく印象に残る作品です。
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この作品を大塚国際美術館で見た時、その白い服の女性に惹かれたのと同時に女性が団扇を持っていたり、陶磁器をじっと見つめていたりと日本的なものがあったので「あれ?」と思いました。

ジェームズ・マクニール・ホイッスラーは1834年に生まれたアメリカ人画家で、主にロンドンで活躍しました。ジャポニズムの巨匠と言われ、画面構成や色調等日本の影響を強く受け、独自の世界観を築いた事で有名です。
この「白のシンフォニー」にジャポニズム的な影響が色濃く出ているのは、そのためだと言われています。
ホイッスラーは、髭を蓄え、知的でエレガントで粋とまさに「ダンディ」を絵に描いたような人物であったと言われています。美しい絵画と同様に本人もとても美意識がかなり高かったそうです。

「白のシンフォニー」にはそういうホイッスラーの魅力が全面的に出ていると私は思います。和洋折衷の美しさ、白い服の女性の美しさと「美」にこだわっている人だからこそこれほど素晴らしい絵が描けたんだろうなと思いました。
本物は今ロンドンの美術館にあるそうですが、一度は本物をこの目で見てみたいです。

文:るるるるん

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