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バルテュス

バルテュスのここがすごい!

鏡を見つめる少女の瞳に映る不思議な間隙を私たちは垣間見る

バルテュスは、二十世紀美術の数ある流派の何処にも属さない独自の具象絵画を手がけた画家であり、数年前となる2014年には大回顧展が日本でも開催されました。実はこれ二回目の大展覧会です。1984年にも注目を浴びていた画家だったらしく日本で展覧会が開催されていたのです。30年ぶりとなった展覧会ですが、皆さんは行かれたでしょうか。

彼の作風はかなり独特の雰囲気です。直線的な人の体つきからは生々しさが感じられません。デッサンが狂っているのかいないのかさえなんともいえないアンバランスな状態の人が描かれています。そして注目すべきは彼の絵画には少女がよく描かれているんです。

「美しい日々」という代表的な作品は真ん中にソファーに座った少女がいます。体つきは少女ですが鏡を見るその瞳は妙に色っぽいのです。これは何を意味するのか。アダルトチルドレンという言葉は耳にしたことがあるでしょう。思春期の、大人の階段を昇ろうとする時期の少女はこんな雰囲気なのではないでしょうか。その特殊な間隙をものの見事にバルテュスは、一枚の場面として描きだしているのです。「夢?」と名付けられた絵にも少し無防備な少女が横たわっています。夢を見ているのでしょうが、そこには何かしら女性としての隠しきれない何かが絵から溢れてきます。無意識な少女からどうしてそんなオーラが出るのか?でも現実世界でもそんな感覚に陥ったことがあるのではないでしょうか?

そういった少女と大人の女性の合間にある不思議な世界を私たちは絵を通じても味わえるのだと教えてくれる他にはない画風の作家だと思います。

文:Yuina Yamakawa

親日家で猫好きの画家

バルテュス(1908年〜2001年)はフランスの画家です。1962年に日本に訪れた際、画家である出田節子さんと出会い、再婚しています。親日家であり、猫好きの作家として有名です。

ほぼ独学で絵を学んだと言われていますが、ルーブル美術館に足しげく通いつめ、模写に励んだようです。ピカソをして「20世紀最後の巨匠」と言わしめた偉大な画家です。20世紀に具象画を描き続けた、少数派の画家でもあります。とはいえ、対象を忠実に描くのではなく、どこかカリカチュアされた人物や猫に、見る側は様々な物語を連想します。

有名な作品には、『鏡の中のアリス 』、『猫たちの王』、『夢見るテレーズ 』、その他たくさんの作品があります。モチーフの多くは少女、そして猫です。

日本ではそれほど有名な画家ではなかったかもしれませんが、2014年に日本国内で東京と京都で展覧会が開催され、一気に認知度は上がったのではないでしょうか。
バルテュスの献身的な妻であった節子夫人の協力を得て開催されました。
生前、バルテュスは節子夫人に着物を着るように頼んでいたそうです。

『夢見るテレーズ』のようにエロティシズムやどこか挑発的な印象を受ける少女、『目覚めII』のように清楚な少女と、バルテュスの描く少女は多面性を秘めています。バルテュスにとって、少女とは絵のインスピレーションを与えてくれる存在であったと、本人が言っていたそうです。そして、節子夫人によれば、絵画に頻出する猫は、バルテュス自身ではないかと推測されています。

バルテュスの絵にみられる特徴は、全体としての調和です。色と色の調和、構図上の調和を大事にしていた画家です。バルテュスの絵にはたくさんの線が存在します。そして、幾何学的な構図で絵を構成しています。

文:saya

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