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ポール・ドラローシュ「ロンドン塔の若き王と王子」のここがすごい!
ドラローシュの「ロンドン塔の若き王と王子」はこれ以上ない悲劇を描いた絵画だと思います。
ポール・ドラローシュの作品「ロンドン塔の若き王と王子」はこれ以上ない悲劇を描いた絵画の一つだと思います。そのまま見ると王子二人がとても美しい絵画ですが、詳細をよく知るとこの二人のこれからを思い、胸が痛くなります。特に右側の兄は「これから自分は殺される」ともう自分の運命を知っている悲壮な顔をしているのがよく分かります。
この絵画は15世紀、陰謀渦巻くイギリスの残酷な王室の争いの一部分を描いたものです。リチャード三世は自分が権力を得るためにこの若き王と王子の二人を塔に閉じ込めます。この二人は恐らく殺されてしまったと言われています。この絵はその処刑前のシーンを描いています。この二人だけでも暗い気持ちになりますが、この時代のイギリスの陰謀や処刑の酷さは様々な資料を見ていて暗澹たる気持ちになり、途中で見るのが嫌になってしまうほどです。
右に描かれている兄はこれからの自分を憂い、暗く重い感じで真っ直ぐにこちらを見つめています。さらに見ていて辛いのが左側にいる弟です。こちらはさらに幼く、まだ自分の運命を理解していない様子が伝わってきます。この絵画を見てこんな幼い王と王子を処刑したリチャード三世に怒りを覚えたのは恐らく私だけではないはずです。
文:るるるるん
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