佐藤オオキのここがすごい!
シンプルなのに印象に残る、佐藤オオキのデザインセンス
初めて佐藤オオキのことを知ったのは建築雑誌に彼のデザインした引き出しの家が紹介されていた時です。引き出しという家に必ずあるものを使って、今までにないスタイルの家を設計したという点に魅力を感じました。
それがきっかけで佐藤オオキの書いた本を何冊か読みました。プロダクションを見ているとさぞ意識が高く、仕事に対して厳しい人なのだろうと思っていたのですが、本を読む限り面白い面やのんびりした面も持ち合わせていて、いい意味で普通の感覚を大事にしている人なのだと分かりました。
佐藤オオキのデザインのすごいところは、気付きそうで気づかない、普段感じているちょっとした不便や違和感を解消する、シンプルでおしゃれなデザインをするところです。
形になったものを見てみると、便利さやかっこよさが理解できるのですが、それを思いつくのはなかなかできないデザインが多く、毎回感動します。
私が好きなのはらせん状にカットされていて、揃えると円柱のようになる箸です。二つで一つのものである点を生かした、画期的なのに奇をてらっていなくてシンプルで誰にでも魅力の伝わるデザインだと思います。この箸の製作には匠の技が活きていて、日本の伝統工芸を盛り上げようとする取り組みに積極的な点も尊敬しています。
文:ゆかし
斬新で洗練された作品を生み出すデザイナー
佐藤オオキは、デザイン事務所「nendo」代表でもあるデザイナーで、インテリアデザインからグラフィックデザインまで幅広いジャンルの作品を手がけています。
代表的な作品であるリボンスツールは、バレリーナのトゥシューズをモチーフに作られた繊細さと大胆さが共存する斬新なデザインのスツール。一度見たら忘れられないほどのインパクトと存在感でありながら、華奢ではかなげな一面も持っています。彼の作品は、人が思いつかないようなあっと驚くような意外性と繊細で美しい優美さを併せ持っています。アヴァンギャルドで斬新であるのに、日々の生活や空間をスタイリッシュで上質なものに変えてくれるようなパワーと魅力にあふれています。
2014年に発売、大人気商品となったスターバックスとのコラボマグカップは、彼の斬新でユニーク、そしておしゃれなアイデアが輝いている作品です。マグカップの底にキャラメルマキアートやラテアートなどの絵が描かれており、洗ってしまっておく時にその魅力が最大限に発揮されるという、とても茶目っ気たっぷりのデザインは、つい全種類欲しくなってしまうほどの魅力です。
また、飲み物がいつも冷えているように見せてくれる、グラスの曇る加工が施されたグラスを発表するなど、その独創性と意外性から目が離せません。
文:あやぱみゅ
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