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旧国立公衆衛生院

旧国立公衆衛生院(東京大学 白金内)のここがすごい!

現在保存か解体の瀬戸際にある、貴重な建築物

昭和12年の、国立博物館その他の国内の各インフラ建設ラッシュのときの主要な建築物の中の一つでもある「旧国立公衆衛生院」は現在東京大学白金キャンパス内にあります。
当時、ロックフェラーの寄付により実現した建物ですが、現在は医科学研究所内の建造物として存在しています。

隣接している国立保健医療科学院が理研などもある埼玉県和光市に移転したことで、これらの一群の建物も解体などがうわさされていますが、建物の意匠としては、昔の砦や、環境保健衛生の基礎的事項などについて、「欧米がこれより以前に日本をはるかに先んじて数千年の間に実現していたもののアイコンを各所に盛り込んでおり」、この庁舎で学び、研究する人に、ある種の目指すところ、それぞれ役務や技術として超えるべき出来事や技法を、ひそやかにデザインとしてしらずに織り込むといった、「おやじの背中」的なアイコン建築物でもあります。

たとえば、湾曲した建物外壁に囲まれたエントランス部分や、縦に日本に伸びた張り出したドーム型の部分から、ふんだんに取り込まれる採光部分など、欧米の万国博覧会などに向けて多く作られた建造物の意匠を、実は各所に取り入れています。が、それらの欧米の物件は、もとになっているデザインソースを更に、各国の船旅などにおける他地域でのめづらしい建造物や建築物から得ており、それをもとにアレンジを加えて、博覧会シーズンに建設ラッシュを迎えているといった動きなどもあります。
(たとえば湾曲したエントランス部分などは、その後日本各地の公的なホール、病院、ホテルなどでも流行しています。流行が建築物上でも大規模に受け継がれて量産されています)

丁度戦後すぐから次の戦争までの間に出来あがっている建物であり、かつだれの目からも見えやすい都心に残る物件だけに、その時代にたしかにその建物が存在していた、またそういったことを教えようとしていた「先輩たちが居た」という表示上の点ではとても価値があります。

現代、こちらに通勤や通学される同分野の皆様には、忘れずに毎日目に留めて、「日々学びつつ日々いろいろかかる反省もしていただきたい、何かのきっかけとなるアイコンとして」、是非とも末永く残ってほしいモノでもあります。

文:AEIOU

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