ピエール・モリニエのここがすごい!
女性の肉体美を追求し続けた作家
ピエール・モリニエは、フランスの画家であり、女性の肉体の美しさを追求した官能的な作品を数多く生み出しました。絵画の他にも写真や人形作品も手がけ、人工関節などを用いたオブジェやモンタージュ写真が特徴的で、当時のシュルレアリストの芸術家たちとの交流も盛んであった作家です。自身が女装をした姿を撮影してはモンタージュ写真を作成するなど、前衛的で過激、そしてエロティックで独特のフェティシズムに溢れる作品は、現在でも類を見ません。
ピエール・モリニエは、アンデパンダン展に幾度となく作品を出品さしていましたが、その過激にエロティックな作風のため、画家としての成功に長い間恵まれず不遇の時代を送ることになります。絵画や写真、とその表現形態は変わっても、モリニエの作品には女性の肉体に対する強い憧憬と執着が常に渦巻いています。フランスの文学者であり、シュルレアリストであるアンドレ・ブルトンに見出され、芸術家としての成功を収めてからも、モリニエの世界は混沌を極めていきます。晩年には、自室にこもってエロティックなオブジェやモンタージュ写真を作る日々を送りました。
モリニエには異常なまでの愛情を見せていた妹がいましたが、少女時代に病死しています。妹の死後も変わらず愛情と執着を持ち続けたモリニエ。モリニエの最後は拳銃自殺という壮絶で悲しいものでしたが、彼は女性の肉体美を追求し続けることで、最愛の妹と一体となろうとしていたのかもしれません。
文:あやぱみゅ
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