ジャクソン・ポロックのここがすごい!
多くの現代アーティストが影響を受けた人物
現代アートの中で、もっとも影響を受けた人を5人あげるとなるとかならず入っている1人。(他にもあるが)
平面の構成が、闇ではなくて、重ねの中にきちんと整序と規則、思考とアートで代表される理論や歴史がしっかりとはいっていて、おじさんのむぎわらぼうしのいろんなバージョンを毎回見ているような、「これがアメリカや」みたいな感じの作品ばかりが多い。
普通この手の作品は、どうってことない雑誌などに印刷されていると、ごくかすむものなのだが、この人の作品は画面を超えてしっかりと見せてきて、むこうから語りかけている感じがあり、とくにアクション的な平面構成では全くなく、絵だけを切り取った状態でそう感じさせる構成を伴っている点は、やはり現代アメリカの代表作家であると確信させるものがある。
インディアン文化、神智学などに精通していたというが、それを超えて、もっと重厚な、教科書や地域、国と言った全般的な知識と、香具師っぽくない表現のバランスがしっかりと含まれていて、「真にアメリカを代表する現代作家」として、アメリカのみならず、世界的にも有名でもある点も良く理解できる。
構成のセンスは、全てを俯瞰したうえで、整序だって理論的にかつその理由の整合性もつねに確認しながら・・・という点で、不動の画面構成を持っている。また1枚の絵でも、その思想と文化への知犀は深くあらゆる角度から幅広い。
文: AIU
まさに職人
ジャクソン・ポロックは、1912年生まれのアメリカの画家である。20世紀のアメリカを代表する画家であり、ジャンルで言うならば抽象表現主義、ニューヨーク派と呼ばれたうちのひとりである。
ポロックの代表的な作品スタイルが、アクション・ペインティングと言われるものである。その名の通り絵の具をキャンバスに叩きつけたり、垂らしたりして出来る絵の具自体の動きを重ねて作品にしているのである。
アクション・ペインティングと聞くと、適当に絵筆を振り回しているだけのように感じるが、その実ポロックが作品を描く姿は、とても繊細である。彼の独特のセンスで、どこにどんな色を、どんな風に重ねていくのか緻密に計算しながら行っているのである。その姿は、まさに職人のようである。
絵画に対して、美しいとか、悲しいとかいった感覚は今までも持ったことがあったが、私が抽象画をカッコイイと感じたのは、ポロックの作品が初めてであった。
ポロックの抽象画には、ある種のポップさと、ニューヨークのカルチャーならではの都会性があるのである。配色から何から、いわゆるクールなのである。
あまり知られてはいないが、ポロックのこうしたかっこよさは、後のアンディ・ウォーホルにも影響を及ぼしている。
計算しつくされた無造作なポロックの抽象画を、是非見ていただきたい。
文:まりあんぬ
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