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工芸美術館

工芸美術館(レヒネル・エデン設計)のここがすごい!

ハンガリー独自の建築様式で建てられた「ジプシー王の宮殿」

ガウディと並ぶアール・ヌーヴォー建築の巨匠レヒネル・エデンが、その独創性をはじめて発揮した建物がブダペストにある「工芸美術館」です。
工芸美術館は1896年にハンガリー建国千年を記念して建てられました。レヒネルは当時のハンガリーの建築界の慣習に従い、ドイツの大学で建築を学び、ドイツ風の建物を建てていましたが、ハンガリー独自の建築スタイルを追求したいと思っていました。そして、その思いを工芸美術館で形にしたのです。
当時、美術館や博物館といえばギリシャの神殿のようなスタイルが一般的でした。しかし、レヒネルは既成の概念を打ち破り、鮮やかな緑色のドームを中心としたスタイルにしました。
壁にはハンガリーの伝統的な刺繍をモチーフにした模様が施されています。ハンガリーの色彩や模様の再現するのに使っているのは 、ハンガリー伝統のジョルナイ工房のセラミックタイルです。入口付近は、ハンガリーの伝統模様やアール・ヌーヴォー調の植物模様のタイルで囲まれています。
中に入ると、圧巻のホールが広がっています。伸びやかな吹き抜け。美しい模様のステンドグラスの天井。ステンドグラスと天井の装飾、2階の手すりが同じ曲線を描き、優美で幻想的な雰囲気を生み出しています。
工芸博物館はその独創性から「ジプシー王の宮殿」と賞されました。また、工芸博物館からはじまるこの建築様式は「レヒネルスタイル」と呼ばれ、ハンガリーの建築史の新たなページを開きました。

文:sophia

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